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  1. 富山県議会 2022-11-01
    令和4年11月定例会 代表質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  午前10時00分開議 ◯議長(渡辺守人君)おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━          報           告 2 ◯議長(渡辺守人君)日程に入るに先立ち、報告事項を申し上げます。  去る11月28日、知事から提案されました議案第123号及び議案第124号について、地方公務員法第5条の規定に基づき、議会から人事委員会の意見を求めておきましたところ、11月28日付をもって、お手元にお配りしたとおり意見の申出がありましたので、御報告いたします。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3 ◯議長(渡辺守人君)これより本日の日程に入ります。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑(会派代表) 4 ◯議長(渡辺守人君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第112号から議案第165号まで、報告第20号、報告第21号及び議員提出議案第12号を議題といたします。  これより会派代表による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、発言を許します。  山本徹君。    〔29番山本 徹君登壇〕 5 ◯29番(山本 徹君)私は自民党議員会を代表して、今定例会に提案された諸案件並びに当面する県政の諸問題について質問いたします。  質問に先立ち、一言申し上げます。  私たちは2年以上にわたるコロナ禍を乗り越えつつあり、社会経済活動も少しずつ正常化し始めておりますが、これを克服するための闘いはなお続いております。  他方、本年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻と、これに端を発する世界的な原材料価格の高騰と長引く円安は、県内においても、県民の生活はもとより、特に生活困窮者の暮らしを直撃しているほか、中小・小規模事業者を中心とした事業活動にも深刻な影響を及ぼしております。
     このような状況を踏まえ、岸田内閣では、日本経済の再生、コロナ禍への対応をはじめとした山積する課題に対応し、全力で国民の暮らしを守り、この国の未来を切り開くため、国、地方を含めた財政支出規模の総額が約39兆円となる補正予算「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を今国会に提出し、年内の成立を目指して現在審議中であります。  私たち自民党議員会は、政府・与党並びに県当局に対し、県民の安全・安心の確保に向けて、この物価高騰等にひるむことなく力強い施策を打ち出すよう強く働きかけるとともに、県民の幸せと魅力ある富山県づくりに邁進していくことをお誓い申し上げ、以下質問に入ります。  最初は、経済対策、新型コロナウイルス感染症対策について4点質問します。  まず、物価高騰対策と来年度当初予算の編成方針について伺います。  世界的な原材料価格の上昇や物価高騰が、県民の暮らしや県内経済活動に深刻な影響を及ぼしております。加えて、長引く円安による日常生活に密接なエネルギーや食料品等の価格上昇が止まらず、実質所得や消費者志向の低下による消費低迷や企業収益の悪化に伴う設備投資への悪い影響等、また、新型コロナウイルス感染症第8波の流行など、日々の不安がさらに増してきております。  政府は、こうした難局を乗り越えるため、現在開会中の臨時国会で第2次補正予算案の年内成立を目指しておられます。  その一方で、北陸電力など電力大手9社が中間決算で赤字となり、同社を含む6社が、国への認可申請が必要な規制料金の抜本値上げを含めた電気料金の大幅値上げを検討との報道や、新電力会社の相次ぐ事業撤退など、ものづくり県富山を支える県内企業や県民生活へのより深刻なダメージが避けられない危機的な状況が迫っております。  そこで、不透明な経済情勢の中、喫緊の課題である物価高騰対策について、国の補正予算とも連動しながら、県民や事業者らに対する地域の実情を踏まえたきめ細やかな支援にどのように取り組むのか、先月発表した来年度当初予算編成方針の下、本県の税収の状況や財源確保の見通しも踏まえつつ、どのようなことに重点を置き、来年度当初予算編成に取り組むのか、併せて新田知事に所見を伺います。  次に、新型コロナウイルス感染症第8波と季節性インフルエンザの同時流行対策について伺います。  新型コロナウイルス感染症が流行する一方、季節性インフルエンザは、基本的な感染予防対策の徹底等により、昨年、一昨年と流行に至らなかったものと推察しております。  現在、新型コロナ感染者数が全国で再び増加していますが、10月に来県された加藤厚生労働大臣は当時、「第8波は第7波より大きい可能性がある。季節性インフルエンザと同時流行するおそれがあるが、両ワクチンを打つことで備えあれば憂いなしにつながる」と述べておられました。  県内でもオミクロン株対応ワクチンの接種が始まりましたが、危機感が薄れていることに加え、若年層の感染の多くが軽症や無症状であり、副反応を嫌って接種を控える傾向もあることから接種率が大変低迷しております。  感染症対策は一人一人の基本的な予防対策が必要であり、新型コロナ第8波と季節性インフルエンザが同時流行すれば、再び多くの罹患者で医療機関が逼迫することが懸念されます。  先日、第8波と季節性インフルエンザが同時流行した場合における感染者数の試算も公表されておりましたが、同時流行に備えた医療提供体制の構築や、それを念頭に置いた予防の観点からも、両ワクチンの同時接種が可能であることの周知啓発など、医療の逼迫を防ぐための早急な体制整備を危機感を持ってしっかり行うべきと考えますが、現在の対応状況と併せて有賀厚生部長に伺います。  次に、予算の適正執行と大型施設の整備について伺います。  先般、県庁各部局から昨年度の決算状況の報告がありましたが、特に土木部と農林水産部において予算の繰越しが年々増加しており、また一方で、円安や資材価格の高騰、人件費の上昇などにより、入札の不調や不落、中止の発生率も高止まりしております。  近年、国の公共事業関係予算に関し、災害に強い地域づくりを目指す国土強靱化対策関連事業費が年度途中の補正予算で大きく積まれ、執行し切れない状況にあります。今回の第2次補正予算案でも1兆円を超える防災・減災、国土強靱化の推進に係る経費が計上され、さらなる繰越しが懸念されます。  県では、効率的な社会資本整備の推進のため、担当職員の増員配置など対応されておりますが、公共工事の担い手であり地域の安全・安心の守り手である建設企業が、将来にわたり健全に経営を続けていかれるよう、安定的、持続的な公共事業の事業量の確保や年間を通じた発注の平準化とともに、物価高騰等に伴う資材価格や人件費の上昇による施工価格への影響が業者の負担にならないよう、適時適切なタイミングで変更契約を進めることが絶対に必要であります。  そこで、予算の繰越しが多い原因は何か、その原因をどのように受け止め今後どのように対策を講じていくのか、また、天候が安定し工事を施工しやすい田植前の時期、特に4月1日時点での事業量の確保に向けどのように取り組んでいくのか、資材価格や人件費の上昇にどのように取り組んでいくのか、市井土木部長に伺います。  次に、今ほど申し上げました長引く円安や資材価格の高騰は、大型施設の建設にも影響を与え始めております。既にPFI方式の導入による施設整備を決定した高岡テクノドーム別館や富山県武道館については、留意すべきリスクとして、物価変動により増加費用が発生する物価変動リスク、資材価格や人件費の高騰等による工事費増大リスクを挙げていましたが、事業費が上振れし、当時想定したVFMも変わってきているのではないでしょうか。その後も市町村による周辺類似施設の新たな改修計画が持ち上がるなど、取り巻く環境も日々変化している状況であります。  今回、テクノドーム別館について、整備費の債務負担行為の設定案が上程されましたが、当初からの目標であった北陸新幹線敦賀開業予定の令和6年度中の開館を目指し、しっかりとした施設に仕上がるよう鋭意整備を進めていただきたいと思います。  また、今後整備を進めることとなる富山県武道館や新川こども施設などについては、施設ごとに物価高騰や市町村との役割分担も十分に踏まえた整備着手の判断が重要であります。  資材価格の高騰など現状をしっかり認識した上で大型施設の整備に取り組むべきと考えますが、新田知事の所見を伺います。  次に、とやまの未来創生を進化させる取組について6点質問します。  初めに、知事就任2年の自己評価と公約の進捗度合いについて伺います。  知事は、政策集「富山八策」を掲げ、就任されてから2年が経過いたしました。この間、民間企業の経営者としての経験を生かし、ワクワクすることがたくさんある富山県など、新しい富山県の未来をその主役である県民と共につくっていこうと、公約である八つの重点政策とその実現のための八十八の具体策について、施策ごとにロードマップを作成される、あるいは予算化を順次されるなど、このことに取り組んでこられました。また、県内市町村長との「ワンチームとやま」連携推進本部による取組をはじめ、富山県成長戦略の策定・実施、北陸3県との連携強化、G7教育大臣会合の誘致等にも積極的に取り組まれるなど、一定の成果を上げられているものと思います。  しかし、会派といたしましては、まだまだ行き届いていないと見受けられる部分や、県民や議会に対しより丁寧な説明が必要ではないかと感じられることがあります。  以前の記者会見では65点と自己採点されましたが、改めてこの2年間を振り返り、知事は御自身の県政運営をどう評価しておられるのか、公約の実現に向けたロードマップや予算化した事業の進捗度合いに対する手応えと併せて所見を伺います。  次に、成長戦略等の取組について伺います。  県は、富山県成長戦略のアクションプランに掲げた各種事業を実施されるとともに、8月には成長戦略の6つの戦略の柱ごとにKPIを設定され、ワーキンググループをプロジェクトチームに再編されるなど、成長戦略の実現に向けて精力的に取り組んでおられます。  一方で、6月定例会における我が会派からの今年度の成長戦略会議の取組や総合計画の見直し等に関する質問の際、知事は、ウエルビーイングの指標について、専門家等の意見も伺いつつ、県民意識調査の分析も踏まえて年内をめどに公表したいと答弁されました。  確かにその後、県民意識調査を実施されるとともに、成長戦略の取組を進める契機の場とする「しあわせる。富山」を開催するなど、ウエルビーイングに対する県民の理解向上に取り組んでおられますが、県民の理解が進んでいるようには思われません。  そもそも心身の健康を保つことで幸せを実感することがウエルビーイングだとすれば、その感じ方は千差万別であり、指標化することは容易ではありません。普及啓発に注力するのではなく、何よりもまず指標を設定し、知事がおっしゃる県施策の新たな物差しを示す。その上で、県として県民の理解や認知度の向上はもちろん、設定した指標が知事の掲げる県民一人一人の生活や人生の質の向上につながり、県民が主体的に幸福感を感じられるような核となる施策、事業に取り組んでいく必要があると考えます。  指標の設定に向けた進捗状況、プロセスやスケジュールと併せて、三牧知事政策局長に伺います。  次に、パートナーシップ宣誓制度について伺います。  昨今、家族の多様性を認めようとする社会に対する国内における一定の理解が示される一方で、県民の理解はいまだ低調であり、理解促進が重要であると考えます。  この制度については、今後、パブリックコメントで出された意見も踏まえて施行されることになると思いますが、いまだに様々な意見もあり、より丁寧な説明が求められていると考えられます。  県では、シンポジウム等を開催し、県民の理解を促進しようとされていますが、ほかにも検討すべき課題があると思います。例えば、制度施行後には、県有施設での活用だけでなく、市町村や関係機関と連携し活用の場面を広げていくことも検討すべきではないでしょうか。制度自体は権利の制限や義務を課すものではないため、その活用について市町村や関係機関の理解と協力が必要と考えます。  また、同様の制度を既に導入している他の自治体との連携、例えば転入転出した際の同制度の取扱いについての連携を図っていく必要もあると考えます。  そこで、先日終了したパブリックコメントでの意見も十分に踏まえ、今後県民に対してどのように制度を周知していくのか、また制度の活用について市町村等との連携をどのように進めていくのか、横田副知事の所見を伺います。  次に、勝興寺をはじめとする歴史的建造物を活用した観光振興について伺います。  高岡市伏木の勝興寺は、23年間に及ぶ平成の大修理を経て、その荘厳な姿がよみがえりました。今回、国宝指定となれば、県内では瑞龍寺に続く25年ぶり2例目となり、高岡市はもちろん富山県としても、北陸3県で唯一、2つの国宝建築を有するところとなります。関係の皆様のこれまでの努力に深く敬意を表するとともに、高岡市民の一人として大変うれしく思っております。  勝興寺では、10月の国宝指定の答申から1か月間で参拝者数が答申前の約5.4倍に急増するとともに、全国旅行支援の開始とも重なり、伏木地域全体でのにぎわいが創出されるなど、早くも国宝効果が見られます。  県西部には、ほかにも井波別院瑞泉寺城端別院善徳寺など、歴史的価値のある寺院が数多くあります。こうした建造物の国の重要文化財や県の指定文化財への指定に対する取組への支援や県西部の観光資源をブラッシュアップするなど、今回の国宝効果を一過性のものとせず、また県内全域にも波及していくよう、県内の貴重な歴史的資源を生かした観光誘客の取組をさらに加速させていく必要があると考えます。  現在、国で審議中の第2次補正予算案では、インバウンドの本格的な回復に向けた集中的な取組として、歴史的資源を活用した地方への誘客、地方の観光消費の強化も盛り込まれており、絶好の機会であると考えます。歴史的建造物を活用した観光振興にどう取り組むのか、南里地方創生局長に伺います。  次に、今後の観光誘客について伺います。  10月に全国旅行支援が始まり、県内各地でも多くの観光客でにぎわいを取り戻し始めております。この3年間、新型コロナウイルス感染症の拡大により満足に旅行できなかった皆さんの旅行マインドの大きさを示すもので、旅館、ホテルや観光地のみならず、県内経済の回復にも大きく寄与することが期待されております。  ただ、残念なことに、全国旅行支援については、国の第2次補正予算案への追加経費の計上が見送られたとのことであります。新型コロナ第8波も懸念されますが、これからウイズコロナの下での社会経済活動が本格化していく中、この高い旅行マインドをしっかり受け止めていくためには、さらなる施策の展開が求められております。  また、県では海外からの誘客促進の一環として、11月に欧州で初めてとなる大規模な観光PRをロンドンで実施され、欧州からの誘客に向け本格的に動き始めました。長期滞在が見込める欧州の方々を呼び込むことは、本県の課題でもある観光消費額のアップにつながることから、国内の誘客と併せて強力に取り組むべきと考えます。  そこで、水際対策の緩和を契機に、今後の富山空港の国際線再開もにらみつつ、国内外からの観光誘客にどのように取り組んでいくのか、新田知事に所見を伺います。  次に、持続可能な地域公共交通ネットワークの構築について伺います。  人口減少、少子高齢化時代、コロナ禍にあって、地域を担う公共交通は、経営面から見るとまさに危機的な状況にあります。  去る15日に開催された総合交通特別委員会において、我が会派の委員も含め、現在県が策定を進めている24年度からの地域交通戦略に関する意見が相次ぎました。また、主権者教育として取り組んでいる県内高校での出前講座でも、不便さを感じるといった高校生の生の声を多く聞かせていただきました。  公共交通の在り方については、世界の先進地であるヨーロッパの手法を学びつつ、持続可能で本県の実情に合った地域公共交通の姿について関係者と忌憚のない議論を重ねるとともに、県民の関心をさらに高めていくことが大切であると考えます。  そこで、新たな地域公共交通計画の策定に当たっては、誰も取り残さないという観点から、公共の関与を強め、財源確保の議論も行いながら、市町村のまちづくりと連携した最適な地域交通サービスの実現を目指すものであることはもちろんのこと、地域の声を可能な限り計画に反映させるとともに、県が旗振り役となって強いリーダーシップを持って持続可能な地域公共交通ネットワークの構築を目指すという姿勢と全体ビジョンを県民に対して早急に示すべきと考えますが、新田知事の所見を伺います。  次に、地域経済の活性化について4点質問いたします。  初めに、くすりの富山の今後について2点、まずは「くすりのシリコンバレーTOYAMA創造コンソーシアムについて伺います。  このコンソーシアムでは、国の地方大学・地域産業創生交付金を主な財源に県内医薬品産業のさらなる振興を図るため、県をはじめ大学、医薬品産業が連携して、創薬や新技術の研究開発、専門的な人材の育成など様々な事業に取り組んでおられます。  これまでに、富山大学が複数の国内研究機関と協力し進めている新型コロナウイルス変異株の感染を防御できるスーパー中和抗体の実用化への支援など、一定の成果も出ていますが、今後はDXの活用や人材育成にさらなる力を入れ、実用化に向けて取り組んでいくことが重要と考えます。  計画期間は2027年度までの10年間ですが、来年度以降は主な活動資金である交付金の対象外となるため、国に追加支援を申請しているとのことですが、今後も事業を推進する上で、自ら資金を集めるなど交付金に頼らない体制づくりも必要と考えます。  そこで、本県薬産業の発展に欠かせないコンソーシアムの事業展開を今後どのように進めていこうと考えているのか、資金の調達方法も含めて有賀厚生部長に伺います。  次に、くすりの富山の信頼回復と今後の展望について伺います。  本県は、医薬品生産拠点として全国トップクラスの高い評価を得てきました。しかし一方で、日医工や廣貫堂などの不適正な医薬品製造に基づく自主回収や生産停止、業務停止や改善に係る命令処分、また経営再建問題など、県内医薬品産業の信頼を揺るがす重大な事態が続発し、これまで築いてきた評価と信頼に暗い影を落とすことになりました。  今回の事態やコロナ禍が相まって、本県が全国に誇る薬の販売方法として多くの方々に親しまれてきた家庭用配置薬の生産金額も大きく落ち込みました。配置薬販売業者にとっても痛手であります。家庭用配置薬等の製造をはじめ県内医薬品産業は本県の基幹産業の一つであり、その低迷は関連企業や取引先のみならず、県内経済に与えるダメージが非常に大きく、薬都の浮沈を左右するものであり、回復にもっと危機感を持って取り組む必要があると考えます。  こうした中、薬剤師の県内公的病院での不足に対し、富山大学が薬学部に地域枠を創設し、薬剤師の育成確保を検討するとの報道がありました。富山大学のそうした取組は、長期的に見て大変ありがたいものであります。  しかし、今、県行政が取り組むべきは、県内医薬品産業をはじめ関連企業や取引先、配置薬販売業者が大きな打撃を受ける中、まずは目配りをし影響を最小限にとどめ、くすりの富山の信頼回復に努めていくことではないでしょうか。また、こうした事態を乗り越え県内経済のさらなる発展に向け、くすりの富山にとって何が必要と考えているのか、今後の展望について新田知事の所見を伺います。  次に、富山のスポーツ振興について伺います。  10月に開催されたとちぎ国体で、成年男子バドミントンにおける団体優勝、少年女子水泳100メートルバタフライで中学生の中嶋碧さんが優勝、また、日本短水路選手権で県出身の竹田渉瑚さんが1,500メートル自由形で日本新記録を樹立し優勝するなど、県勢が大活躍されました。こうした県内アスリートが活躍する土壌をつくるためにも、県民一人一人のスポーツへの関心を高めることが大切だと考えます。  県の第2期元気とやまスポーツプランでは、富山のアスリートの育成を目指した強化施策の推進を掲げ、ジュニア期からの強化に取り組む一貫指導体制の推進や、質の高い指導者、ボランティアの育成事業を推進しております。  しかし、県民成人の週1回以上のスポーツ実施率は全国平均を下回っており、コロナの影響もあって、県民のスポーツへの関心は高まっていないように感じられるのであります。  4月に策定された国の第3期スポーツ基本計画では、国際競技力の向上に向けた持続可能な人材育成のほか、楽しさや喜び、自発性など、スポーツそのものが有する価値やスポーツを通じた地域活性化、健康増進による健康長寿社会の実現など、スポーツが社会活性化等に寄与する価値をさらに高めていくことを掲げております。  そこで、トップアスリートの育成など、本県のスポーツ競技力向上の取組状況はどうか、また、県民一人一人がスポーツに親しむ環境整備など、県内スポーツの振興をさらに推進していくべきと考えますが、廣島生活環境文化部長に伺います。  次に、富富富をはじめとした富山米の現状と今後の展望について伺います。  本年産米の9月末時点での1等米比率は、富富富、てんたかく、てんこもりが90%を超える好成績となった一方、主力のコシヒカリは90%を割り込む83.1%という結果でありました。また、農林水産省の公表によると、10月25日現在の今年産水稲の作況指数は平年並みの101であり、生産者からは天候の影響もあったのではないかとの声も聞かれました。  県が地球温暖化の進行や夏場の高温に備えて開発した富富富については、将来的に中生品種の大宗を占める品種として作付面積を順次拡大し、コシヒカリ中心からの転換を進める方針でありましたが、思うように進んでおりません。  今後は、富富富とコシヒカリの違いや富富富の優位性、他県産米との違いなどをアピールし、作付面積や販路拡大に向けてしっかり取り組むべきと考えますが、転換が進まない原因は何なのか、また、転換や販路拡大に今後どう取り組んでいくのか、富山県産米の1等比率の向上や食味の改善対策などの取組状況と併せて、堀口農林水産部長に所見を伺います。  次に、安全・安心な暮らしの実現について3点質問いたします。  県内では農業用水路での転落死亡事故が頻発しており、この10年で200名以上の方が命を落とされる中、その9割近くが65歳以上の高齢者であります。また、幼児が用水に転落し海まで流されてしまった事案も発生しており、その防止対策は急務であります。  県民から数多く要望されている防護柵の設置や蓋かけなどに対し、各部局では、道路側溝の改修に活用できるとやまのみちフレッシュアップ事業や農業用水路安全対策緊急整備事業、農業用水路安全施設クイック整備事業などの予算を立て対応されていますが、全庁的に優先順位をつけるなど年次別に計画を立て対処していくべきと考えます。  そこで、農業用水路に関する危険箇所の把握状況はどうか、転落防止対策の現在の整備状況と今後の対応方針を併せて、堀口農林水産部長に伺います。  次に、大雪対策について伺います。  今年の冬は大雪との予測がされており、令和3年1月の災害級の大雪被害が思い起こされます。県では、タイムラインに基づき、車での不要不急の外出自粛を呼びかけるとともに、各道路管理者や交通事業者と連携して道路除雪等に取り組むとされています。災害級の大雪となった場合には、人命を守ることを最優先とした対応が必要であります。  一方、半導体などの部品不足の影響で新車生産が滞っており、除雪車両の更新にも影響が出ているとの報道もあり、既存の車両での作業を余儀なくされ、万が一故障や不具合が発生してもすぐに修理できないといったことが危惧されます。また、除雪作業の多くを担う建設企業におけるオペレーターや除雪機械の確保は相変わらず深刻な状況であるとともに、企業間でのトラブルも多いとの話もあり、これまで以上の支援や適切な指導が必要であると考えます。  そこで、来るべき冬も災害級の大雪を想定し、国、県、市町村のみならず、企業、県民が一丸となって、除雪や消雪、雪捨場の確保に取り組んでいく必要があると考えますが、除雪オペレーターや除雪機械の確保に向けた取組、また、供用が開始された防災危機管理センターの役割と併せて、知事の所見を伺います。  次に、警察署の再編について伺います。  小規模警察署の再編に向けては、県警察では、地域協議会等の開催やパブリックコメント制度の手続などを経て、関係団体や県民からの意見を踏まえ、現在検討を進めておられるところと承知しております。今月には建設候補地について公表されるとともに、管内別に地域の方々や関係者の意見をお伺いする広聴会を開催されたところであります。  警察については、県民にとって急を要する事案が特に多いと考えており、治安機能の強化を目的とした再編であれば、県内全域での検討が進むのを待つのではなく、地域の理解が得られ検討が進んだ箇所から速やかに新施設の建設整備を進めていくべきと考えますが、今後のスケジュールと併せて杉本警察本部長の見解を伺います。  最後に、明日を拓く人づくりについて4点質問します。  令和5年度の県立高校の学級数削減に端を発した将来を見据えた本県教育のあるべき姿について、9月定例会での様々な議論や意見も受け、県総合教育会議での議論が始まりました。  23年度に開かれる学校再編に関する検討会での参考にするため、来年3月までの間、計4回、学級編制、公立と私立の定員比率、普通科と職業科の定員比率、学区の4つをテーマに短期集中的に開催され、今月8日の第1回会議で知事が述べられた一発勝負の入試のあり方についても議論されるとのことであります。去る21日に開催された第2回会議では、公立、私立の比率や普通科と職業科の比率を中心に議論があったとも聞いております。  しかしながら、我が会派が繰り返し申し上げてきたのは、将来を見据えた本県の高等教育として何が必要か、将来の子供たちにとってよりよい魅力ある教育環境をつくるべく、これまでのやり方に縛られることなく思い切った改革に取り組む時期だということであります。  県内の中学校卒業者数は、令和3年3月には約9,000人でありましたが、令和3年の出生数は約6,000人であり、つまり15年後には3分の2に減少するのは確実な状況であります。もはや従来のような一部の県立高校の募集定員の調整や既存校の統廃合では対応し切れないことは明らかであります。  今こそVUCA時代の人材育成について、今後の本県教育のあるべき姿そのものをゼロベースで早急に議論すべきと考えますが、これまで進行役であった知事が一委員として意見を述べられるように総合教育会議の運営要領を改正された狙いと併せて、新田知事の所見を伺います。  次に、G7教育大臣会合の開催について伺います。  本会合については、富山市や自民党県選出国会議員、県内経済団体と共に、政府や与党に対し積極的な誘致活動に取り組まれ、石川県との共同開催が決定いたしました。  開催に当たり、知事は9月定例会において、7年ぶりの国際会合が県内で開催され、議論された新時代の教育が富山から世界に発信されることは、未来を担う子供たちにとって大きな自信と誇りにつながり、ウエルビーイングの向上に寄与する、複数県による共同開催は初であり、両県の教育の高さや自然、歴史、文化や味覚などの魅力をアピールし、相乗効果を発揮したいと答弁されました。  10月以降、開催準備に向けたG7教育相会合推進チームを設置したほか、馳石川県知事や富山・金沢両市長を交えた懇談において、教育と密接な関係があるウエルビーイングを会合の議題にすると意見交換されました。  今月には両県警に警備等の対策部署が新設されたほか、明日12月1日にはG7教育大臣会合富山県委員会(仮称)の設立や第1回会議を開催されるとのことであります。  一方で石川県では、今月9日に推進協議会の初会合を既に開催し、機運醸成などの本番に向けた課題を共有されており、本県より随分先を行っているように思われます。  今後は、会合が円滑に進むよう準備を進め、国内外から出席される要人警護の強化や態勢整備も進めるなど、関係機関と連携し、万全を期して取り組み、その上で開催してよかったと県民に思っていただけるような成果を残してもらいたい。そして、知事が考える教育分野におけるウエルビーイングとはどういうものか明示していただき、そして例えば、我が国や本県教育の未来像を描くための羅針盤となるような富山宣言を発してはどうかと考えますが、新田知事の所見を伺います。
     次に、富山県立大学看護学部の県内定着に向けた取組について伺います。  県立大学看護学部は、より質の高い医療や保健福祉サービスの担い手として多様なニーズに対応するため、幅広い教養と人々への共感的態度を備えた人間性豊かな人材、さらに、創造力、実践力及び探究心を兼ね備え、多職種と協働しながら地域や社会に貢献できる人材の育成という教育理念の下、県立総合衛生学院を改組し平成31年4月に開設されました。  開設目的は、看護師を目指し看護大学への進学を希望する県内高校生の県内での学びの場を創出し、進路選択の幅や学修機会の確保と、県内医療機関等における地域に密着した看護実習等を通じて、県立大学看護学部の大きな特色の一つであるユマニチュードの実践など質の高い技術、知識、人間性を兼ね備えた看護人材を育成し、より多くの卒業生が県内の医療・介護現場で活躍、定着することへの寄与でありました。  開設から4年目を迎え、いよいよ来春には第1期生が卒業することになりますが、卒業予定者の県内定着に向けた支援や取組状況、就職予定先の状況について、来年4月に開設される大学院看護学研究科や専攻科への同学部からの進学状況やその取組と併せて、岡本経営管理部長に伺います。  最後に、子供支援拠点の在り方について質問いたします。  子供を取り巻く問題が多様化する中で、県は、新たな子供支援拠点として、富山児童相談所を含めた児童相談所等の機能強化に係る基本計画の策定に取り組んでおられます。  さきの議会で知事は、5月に開催した児童相談所等機能強化基本計画検討委員会での専門家等からの御意見や他の市町村の意見も踏まえて、関係機関との連携方法や人材育成、子育て家庭が相談しやすい環境づくりなどを取りまとめ、基本計画を策定していきたいと答弁されました。  その後、知事が来年度当初予算に建て替えに向けた設計費を計上したいとの意向を示したとの一部報道もありましたが、現在、検討委員会の議論がどこまで進んでいて、今後どのようなスケジュールで計画が策定されていくのか、議会に対する説明はなされておりません。早急に方向を示されるべきと考えます。  そこで、児童相談所の機能強化の方向性の検討がどの程度進んだのか、富山児童相談所に先立って移転改築された高岡児童相談所における教育委員会や警察署と連携したワンストップ体制の効果と併せて、新田知事に所見を伺います。  以上をもちまして、自民党議員会を代表しての私の質問を終わります。 6 ◯議長(渡辺守人君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 7 ◯知事(新田八朗君)自由民主党富山県議会議員会を代表しての山本徹議員の御質問にお答えをします。  まず、物価高騰対策と来年度当初予算の編成方針についての御質問にお答えします。  先般閣議決定された国の総合経済対策では、電気料金やガス料金などの高騰に対する措置をはじめとする物価高騰の克服などに向けた各種の対策が盛り込まれました。  本県においては、原油価格・物価高騰の影響を受ける県民や事業者を支援するために、これまでも中小企業や農林漁業者、公共交通事業者、飲食事業者などに対する支援に取り組んでまいりました。そして、今回提案させていただいております11月補正予算案においても、医療機関や児童福祉施設に加え、林業事業者等への対応などに必要となる予算を計上させていただいております。さらに、国の経済対策を活用した事業についても、効果を速やかに波及させるため、今議会中に追加で提案し御審議をいただけるように準備を進めているところでございます。  令和5年度当初予算の編成に向け、歳入面では税収が令和4年度当初に比べ増収の見込みであるものの、歳出面では高齢化に伴う社会保障関係費の増加などが見込まれています。  こうした状況の下、県民の命と暮らしを守るため、原油価格・物価高騰対策や新型コロナ対策には引き続き最優先で取り組むとともに、「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」の実現に向けて、少子化対策、子育て環境の充実、スタートアップ支援など経済の活性化、DXの推進、カーボンニュートラルの実現、人への投資などの施策を重点的に推進してまいります。  一方で、令和4年度に続き、既存事業の抜本的な見直し及び再構築に取り組むこととしておりまして、限られたマンパワーや財源を効果的に活用し、県民ニーズに的確に応えてまいりたいと考えております。  次に、大型施設の整備についての御質問にお答えします。  高岡テクノドーム別館の建設費は、当初の想定から約20億円増の46.3億円を見積もっておりまして、今議会に債務負担行為を提案しております。  富山県武道館については、まだ実施設計を行う段階ではないため、資材高騰などを反映した建設費の積算は行っておりませんが、建設資材全般の価格が高騰していることから建設費の高騰は避けられないものと考えております。富山県武道館の建設費の高騰に対しては、基本設計の方向性は維持しつつ、コスト縮減につながるような設計内容の見直しを行い、今年度の2月議会に建設費などの債務負担行為の設定を提案したいと考えます。  また、建設予定地周辺には、改修予定のものも含めまして、富山市の体育施設、文化ホールが立地することになっておりますが、富山県武道館は、こうしたことも既に踏まえて基本計画、基本設計を行ったもので、これらの施設とは機能的に差別化を図っており、互いに連携協力しながらそれぞれの役割を果たしていくことになると考えます。  なお、新川こども施設につきましては、今年度中に最適な整備手法を決定することとしておりますが、今後の整備に向けては、物価の状況などを注視するとともに、市町村施設との差別化や連携も検討しながら、昨年度の検討会でいただいた御意見、県民の皆様の御意見、県議会での議論なども踏まえて対応してまいりたいと考えます。  次に、県政運営の評価と公約実現に向けた進捗についての御質問にお答えします。  知事就任以来、この2年間、大雪や鳥インフルエンザ、そして新型コロナウイルスなど、数々の危機管理にしっかり対応するとともに、県民の皆様に約束した八つの重点政策、八十八の具体策の実現に向けて全力で取り組んできました。また、この間、県民目線、スピード重視、現場主義、この徹底に努めてきた結果、職員のみんなの意識改革も相当進んだと感じています。  公約の進捗状況については、令和4年度末までに約85%が達成可能と見込んでおります。例えば、富山県成長戦略を策定し、具体的な施策を成長戦略アクションプランとして予算化したこと、「ワンチームとやま」連携推進本部を設置し、市町村との連携協力体制を深化、深めて、様々な行政課題解決に取り組んできたこと、北陸の十字路構想実現のために初めて北陸3県知事懇談会を実施し、近隣県との連携を強めてきたこと、加えて、創業支援センターなどのオープンやDX人材育成と県立大学での情報工学部の新設にも着手しております。  さらに、一丸となって本県に誘致してきたG7教育大臣会合の来年5月の開催が決定し、子供たちの未来を築き、本県の魅力をアピールできるチャンスを得るなど、公約にはなかった新たな取組も進めておりまして、この2年間で着実に本県の未来への種まきができたと考えております。  今後とも、丁寧な説明に心がけ、県議会をはじめ県民の皆様の御意見を十分にお聞きしながら、新しい富山県の実現に向けて全力で取り組んでまいります。  次に、国内外からの観光誘客についての御質問にお答えします。  10月11日から水際対策が緩和され、訪日外国人の受入れが回復しつつあり、本県においても、国を含めた関係機関が連携して空港業務の再開訓練を行うなど、感染対策と社会経済活動の両立を図りながら、国内外からの誘客を強力に推進する必要があります。  県の成長戦略では、「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」の実現を目指し、暮らすように旅をする観光に取り組むこととしています。  これを受けて、知的好奇心旺盛な富裕層が多いと言われる欧州市場に向けセールスに着手するとともに、新たな国内外富裕層向け観光サービス充実のため、女性の視点を生かした商品開発なども開始しております。  先日、全国に先駆けてロンドンで、伝統工芸などの紹介や展示販売、現地旅行会社との商談会やセミナーなどを行ったところです。ぜひ行きたいなどの反響が数多く寄せられました。この模様は、先般、日経新聞の全国面でも、また電子版でも報道されたところでございます。  また、来年の1月には、台湾の旅行会社、サイクルショップを訪れ、台湾からのサイクリストなどの誘致に取り組むほか、2月以降にはタイ旅行博への出展、岐阜県、長野県と共に台北にて観光説明会と商談会を実施し、誘客促進に取り組むことにしています。さらに、富山空港への国際便を運航する航空会社に対し、運航再開への働きかけを強化していくこととしています。  今後、G7教育大臣会合や北陸新幹線敦賀延伸、黒部宇奈月キャニオンルート開業、北陸デスティネーションキャンペーンなど、本県が国内外から注目される機会が多くあります。こうした機会を最大限活用し、観光の魅力創出と国内外からの誘客に取り組んでまいります。  次に、地域公共交通計画についての御質問にお答えをいたします。  持続可能な公共交通の確保に向けた計画の策定については、今年6月に立ち上げました富山県地域交通戦略会議とその下に設置した4つの部会を順次開催し、議論を進め、深めています。今月も鉄軌道サービス部会と交通ワンチーム部会を開催し、関係者間の役割分担、責任分担やまちづくりとの連携について議論しました。さらに、今月17日には第3回会議を開催し、私も参加しましたが、計画目標を新たに設定するなど精力的に議論を重ねています。  今月7日には、会議の有識者委員の協力をいただき、富山大学で出前講座を実施し、地域の公共交通にとっては大切なステークホルダーである学生の皆さんに戦略会議の議論を共有し、学生同士でウエルビーイングを向上させる地域交通サービスについて意見交換を行っていただきました。今後も交通計画の策定段階からステークホルダーの参加を促し、当事者意識の醸成を図るため、こうした取組を続けてまいります。  戦略会議や各部会では、計画の基本的な方針、考え方や計画の目標に基づき、引き続き議論を進めていくこととしておりまして、年度内に開催を予定している第4回目の会議では、今年度の様々な検討を踏まえ、地域交通ネットワークの目指すべき姿を示します。  県としては、県民や来訪者にウエルビーイングの向上をもたらす最適で持続可能な地域交通サービスの実現を目指し、県がリーダーシップを持って、市町村や交通事業者をはじめ幅広い関係者との連携を図り、計画策定に取り組んでまいります。  次に、くすりの富山の信頼回復についての御質問にお答えします。  令和3年3月の日医工の業務停止命令以降、不適切な製造事案に係る行政処分が続き、医薬品に対する安心や信頼が揺らぐ事態となり、残念に思うとともに厳しい状況にあると考えております。  これまで県では、昨年7月の薬事審議会からの提言に基づき、企業倫理の醸成や法令遵守体制の整備、無通告での立入調査の強化による県のGMP調査などの改善など、再発防止や県内医薬品産業に対する信頼回復に向け鋭意取組を進めてきております。また、薬業界においても、GMP特別技術顧問の設置や研修会の開催など信頼回復に向けた取組を進めておられます。  そして、県内医薬品産業のさらなる発展には、バイオ医薬品等の付加価値の高い医薬品の開発や製造、医薬品の品質確保と安定供給を高いレベルで実現する生産体制の技術革新、産学官連携による創薬シーズの基礎から臨床に至るまで一貫した研究開発、これらを支える人材の育成確保、DXの推進など新しい技術に対応できる体制づくりが必要と考えており、「くすりのシリコンバレーTOYAMA創造コンソーシアムを核として、こうした取組を進めてまいりたいと考えます。  引き続き、医薬品企業はもとより、薬業連合会などと連携協力して取組を着実に進め、くすりの富山のブランドの信頼を一日も早く取り戻せるよう一層努力してまいります。  次に、大雪への対策についてお答えをします。  県では、今年の冬においても、災害級の大雪時には人命を守ることを最優先に、企業や県民の皆様には車での不要不急の外出自粛をお願いするとともに、各道路管理者や交通事業者と十分に連携をして道路除雪などに取り組んでまいります。  具体的には、令和3年1月の大雪時と比べ、道路監視カメラを、県で設置しました100基を含め268基追加し、都合359基の画像を公開しておりますほか、県と市町村との連携除雪では、33区間追加し69区間に増やしました。また、共同利用する雪捨場では、17か所追加し66か所に拡大をしております。除雪機械では、除雪ドーザーなど車道用を3台、そして歩道用を15台増強しております。  また、気象台からの大雪に関する情報で災害級の大雪が想定される場合には、段階的な行動計画であるタイムラインを活用し、大雪警戒本部などの開設や企業の臨時休業や学校の休校、車での不要不急の外出自粛などを強く呼びかけていくこととしております。  さらに、大雪時の交通障害から早期に復旧できるよう、あらかじめ圧雪処理や拡幅除雪などに必要な除雪機械やオペレーターの態勢を整えるほか、積雪状況や降雪予測に応じ、早朝に限らず行う機動的な除雪にも努めてまいります。  また、防災危機管理センターでは、大雪警戒本部などを設置し、最新の映像システムなどを活用し、国や市町村、関係機関と随時の情報共有を行い、迅速な方針決定や広報に努めることとしております。  この冬も災害級の大雪を想定し、国、県、市町村及び企業、県民が一丸となって雪に強い富山県となるよう取り組んでまいります。  次に、本県教育のあるべき姿についての御質問にお答えします。  中学校卒業予定者数が、令和4年3月の8,910人から令和10年3月には8,000人を割り込むことが見込まれる中、時代の進展を見通した高校の在り方をはじめ今後の本県教育のあるべき姿の議論については、喫緊の課題であると捉えております。  このため、教育委員会では、昨年度から令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会を開催しておりまして、先般の第5回会議では、中学生や高校生などへのアンケート調査結果を基に、県民が求める今後の県立高校の在り方について議論されました。  また、私が主宰する総合教育会議においても、今月2回開催し、有識者などの御意見も伺いながら現状と課題を整理し、論点ごとに議論を進めています。私自身も各委員としっかり議論することが重要であると考え、会議の進行役を担当部長に任せまして、学級編制や公私比率などの論点について活発な議論を行っています。今後、3月までに2回の総合教育会議を予定しており、さらに議論を深め基本的な方向性を示したいと考えます。  私としては、こどもまんなかの視点に立って総合教育会議での議論を進めるとともに、県議会をはじめ市町村や県民の皆様の意見も幅広く伺いながら、教育委員会においてさらに具体的な議論を深めてもらうことが必要だと考えております。  今後も、教育の充実に向けた展望や基本的な方向性に関して、教育委員会と連携しながら検討を進めてまいります。  次に、G7教育大臣会合の関係機関との連携、そして、本県教育の現状と未来像の御質問についてお答えをします。  G7教育大臣会合の共同開催決定後、直ちに実務を担う推進班と県警本部も含む庁内連携チームを設置し、県と富山市から国へ職員派遣するなど連携体制を整備しました。  これまで、オンライン会議も活用し、国や石川県と協議を重ねており、先月末には石川県知事と富山・金沢両市長の4者が顔を合わせ、それぞれ知恵を出し合って連携することを確認し合いました。警備面でも県警本部に警備対策室が設置され、石川県警との業務検討も開始されるなど、関係機関と十分に連携し、スピード感を持って準備を進めています。  また、県内の教育・経済団体などから幅広く御意見をいただくため、明日、G7教育大臣会合富山県委員会を設置いたします。メンバーの皆様には既に資料を送付し、機運醸成や歓迎の事業などについて具体的な御意見を多数頂戴しているところであり、今後とも会合の成功に向け関係団体と連携していくとともに、県のホームページや様々な広報媒体を活用した情報発信などにより、県民の皆様に開催の成果が見えるものとなるよう積極的に取り組んでまいります。  さて、県の教育振興基本計画では、教育で目指す姿の一つとして、「すべての県民が生き生きと自分らしく暮らせる「真の幸せ(ウェルビーイング)」の向上」を掲げております。  これまでも、子供の可能性を引き出し才能や個性を伸ばす教育の推進、ふるさとを学び楽しむ環境づくりなどに取り組んでおり、こうした学校や家庭、社会における学びの積み重ねが、自らの可能性を発揮し、自分自身で未来を切り拓いていく力の育成や社会の中での自己肯定感につながり、子供たちのウエルビーイング向上に結びつくと考えております。  教育大臣会合では、こうした視点も議論に盛り込まれるよう国に提案していくほか、今回の11月補正予算案に計上した県内中高生を対象とした「こどもサミット」での議論が大臣会合へつながるものとなるように、国と協議を続けてまいります。  私からは最後になりますが、児童相談所の機能強化についての御質問にお答えします。  富山児童相談所の機能強化などについて検討する児童相談所等機能強化基本計画検討委員会の第1回委員会では、有識者や市町村の皆様から、児童心理治療施設の設置の必要性や市町村に対する支援、虐待を受けた子供や保護者を含む家庭への支援など、児童相談所の機能強化や関係機関との連携の在り方などについて、様々な御意見をいただきました。  今年4月に供用を開始した高岡児童相談所は、西部教育事務所の隣接地に移転改築しましたが、虐待のおそれのある学齢期の子供や家庭について、教育事務所と情報共有を行い連携して支援をしております。また、一時保護所の男女別個室化や相談室の増室によって、警察署からの児童虐待通告による一時保護や相談に迅速に対応できるなど、立地や機能を生かした連携が可能となりました。  今後、これまでの県議会での御意見や検討委員会での御意見、高岡児童相談所での関係機関との連携による効果を踏まえまして、教育委員会及び警察などとの関係機関との連携方策を早急に取りまとめたいと考えております。  また、令和6年4月の児童福祉法の一部改正に伴う市町村における児童福祉と母子保健の一体化の動きなどを踏まえ、市町村と連携した児童相談所の機能強化についても検討した上で、次回の検討委員会において基本計画の素案を諮りたいと考えております。  今後、引き続き県議会とも御相談の上、来年度当初予算案には基本設計費を計上し、できるだけ早い時期に富山児童相談所を整備できるように努めてまいりたいと考えております。  私からは以上です。 8 ◯議長(渡辺守人君)横田副知事。    〔副知事横田美香君登壇〕 9 ◯副知事(横田美香君)私からは、パートナーシップ宣誓制度についての質問にお答えいたします。  パートナーシップ宣誓制度につきましては、要綱案のパブリックコメントを今月1日から一昨日28日まで実施しまして、合計109件の御意見をいただきました。今後、この意見の概要と県の考え方をホームページで公表するとともに、御意見も踏まえて制度内容を決定し、周知期間を経て今年度中に制度を開始したいと考えています。  開始に当たりましては、制度に関するリーフレットを作成し、ホームページ、SNSも活用しながら、県民や県内の事業所に広く周知されるよう準備を進めています。  また、この制度が機能していくためには、議員御指摘のとおり、性の多様性に関する理解を深めることが大変重要です。そのためにシンポジウムを開催しますが、このほかに、県民に配慮した対応が求められる県庁や市町村職員、関係機関に向けたガイドブック、そして、これも一般の県民も手に取れるものを作成し、広く周知していきたいと考えています。  そして、制度の活用に関しましては、現在、市町村と共に対応可能な行政サービスについて調査検討しているところです。様々な場面で活用できるよう、関係機関や市町村と連携し、活用場面ごとに疑問点や気づきを集め、対応を整理したマニュアルも作成したいと考えています。  他の自治体との連携に関しましては、7月の全国知事会において、茨城県知事がパートナーシップ制度の自治体間連携を提唱され、知事会として検討していくこととされました。8月には、都道府県間では初めて茨城県と佐賀県が、転居しても宣誓の手続が引き継がれる連携協定を締結されています。  本県としても、こうした他の自治体の状況を把握し、制度内容が異なる場合の調整など検討を進めてまいります。  以上です。 10 ◯議長(渡辺守人君)有賀厚生部長。    〔厚生部長有賀玲子君登壇〕 11 ◯厚生部長(有賀玲子君)私からは2点についてお答えさせていただきます。  まずは、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザとの同時流行への備えですが、同時流行した際の患者数は1日最大約5,600人を想定しております。これに対し、平日の発熱外来の診療可能数約5,200人と県の陽性者登録センターの登録可能数の約400人を合わせて約5,600人となり、土曜や日曜、祝日だけでなく、平日でも地域によっては発熱外来が相当逼迫するということが予想されます。  このため、まずは同時流行とならないように努めることが重要であることから、従前からの未就学児のインフルエンザワクチン接種への助成に加え、今年度も市町村が行う小学生の接種助成などの支援をすることとしております。  また、オミクロン株対応ワクチンの接種率は全国平均を上回っているものの、若い世代を含め、さらに接種を進める必要があることから、県の特設会場における接種枠を拡充することとしており、発症や重症化予防効果が期待できることやインフルエンザワクチンとの同時接種が可能であることも周知し、年内の接種を呼びかけてまいります。  さらに、医療提供体制については、医療機関の御協力を得まして確保病床や発熱外来の診療時間の拡充に努めるとともに、流行に備え、県民に向けて平日の昼間の受診の呼びかけや、検査キット、解熱鎮痛薬等の事前準備をお願いしております。  現在、新型コロナの感染拡大に伴い、感染警報を出して県民の皆様にワクチン接種や感染対策の徹底をお願いしているところでありますが、今後も医療機関や市町村とも連携し、これまで以上に危機意識を持ってこの冬の感染対策に取り組んでまいります。  次に、「くすりのシリコンバレーTOYAMA創造コンソーシアムについてですが、議員御指摘のとおり、来年度以降は国の支援期間が一旦終了し自走化することとされておりますが、国において、当初の計画以上の加速、強化、拡大が期待できる取組等に対しては、支援期間の延長を可能とする制度、展開枠が創設されましたことから、県として対象事業を選定し、去る9月に申請したところでございます。  このコンソーシアム事業は、平成30年度の採択当初から10年間の計画で実施することとされており、この展開枠の採択に関わらず、これまでの事業化を目指した研究開発支援の仕組みやノウハウを生かし、産学官連携による研究開発や専門人材の育成に引き続き取り組んでまいります。  また、その際、研究開発事業や専門人材の育成、コンソーシアムの組織運営に必要となる資金については、AMED等競争的研究資金をはじめとする研究費の獲得や、国の補助金や参画機関からの協力も含め協議を進めていくこととしているほか、昨年度から実施しているクラウドファンディングや企業版ふるさと納税を活用した資金調達にも積極的に取り組んでまいります。  知事からの答弁にもありましたとおり、今後とも本県医薬品産業のさらなる発展のため、産学官連携でコンソーシアム計画をしっかりと推進してまいります。 12 ◯議長(渡辺守人君)市井土木部長。    〔土木部長市井昌彦君登壇〕 13 ◯土木部長(市井昌彦君)私から、予算の適正執行についての御質問にお答えします。  県では近年、県土の強靱化を図るため、国の緊急3か年対策や5か年加速化対策に積極的に対応し、予算を編成してまいりました。こうした国の対策は年度後半の補正予算によることが多いため、県では、1月または2月に計上した補正額のほぼ全額を繰り越しして執行せざるを得なかったこと、また、建設企業の御要望を受け春先の工事量を確保するため、繰越手続を経て年度をまたぐ工事の発注に努めてきたこと、これらが繰越しが多い理由だと考えております。  議員御指摘のとおり、予算の繰越しを抑制しつつ春先の工事量を確保することが重要であると考えておりますので、ゼロ県債などの債務負担行為の活用、道路のフレッシュアップ事業など即効性のある事業の推進、柔軟性の高い余裕期間制度の積極的な導入に努めてまいります。
     工事の設計に用いる労務単価については、県の主な職種の単価は10年前の平成24年度から毎年上昇しており、その1.7倍の単価としたところでございます。資材単価については、毎月実施している価格調査を踏まえた単価を採用しており、10月には全ての単価を見直したところです。契約後の急激な価格変動には、約款に定めたスライド条項で対応しており、10月には、受注者の購入価格が適当と認められる場合は、その価格を用いた変更が可能となるよう運用ルールを一部改定したところです。  今後とも、公共事業の担い手であり地域の守り手である県内建設企業が将来にわたり健全に経営が続けられるよう、取り組んでまいります。  以上です。 14 ◯議長(渡辺守人君)三牧知事政策局長。    〔知事政策局長三牧純一郎君登壇〕 15 ◯知事政策局長(三牧純一郎君)私からはウエルビーイングについての御質問にお答えさせていただきます。  ウエルビーイングに関する現状把握と分析のため、9月に県民意識調査を実施したところでございます。ウエルビーイングにつながる自分自身の実感や、家族、地域などとの社会的な関係性など、生活の中での多面的な実感を調査し、今月21日、現時点の集計・分析結果を速報版として公表したところでございます。今後さらに分析を進めて、回答の傾向と県民のウエルビーイングとの結びつきを見極めつつ指標を策定いたしまして、年内に公表したいと考えております。  ウエルビーイングについては、身体的、精神的、社会的に良好な状態といった様々な面が関連し、また、その捉え方も一人一人異なるため、単一かつ客観的項目だけでの測定はなかなか難しいと考えております。そのため、本県の指標におきましては、心身の健康や経済的なゆとり、やりがい、生きがい、社会的なつながり等の複数分野における実感といった主観的評価項目を組み合わせたものとすることで、一人一人の多様性にも配慮したきめの細かいものにしていきたいと考えております。  そのため、議員が御指摘いただきました核となる施策につきましても、多様な指標の改善につながり、また多様な個人のウエルビーイングの向上を実現する必要があると考えておりまして、単一な施策よりも、施策のパッケージであったり施策のプロセスの改革、そうした形になるのではないかと我々も考えているところでございます。  県といたしましては、こうした県民一人一人の多面的かつ主観的な実感を重視するという、これまでにはない視点に立って策定するウエルビーイングの指標について、県の政策立案、実施、評価といったプロセスの中にしっかりと位置づけまして、実効性のある施策展開につなげていくことが重要であると考えております。その意味で、この指標を新たな物差しにしっかりとしていきたいと考えております。  県民の幸せの実感につながり、一人一人に寄り添った県施策の展開につながる指標となるよう、年内の公表に向けてしっかりと取り組んでまいります。 16 ◯議長(渡辺守人君)南里地方創生局長。    〔地方創生局長南里明日香君登壇〕 17 ◯地方創生局長(南里明日香君)私からは、勝興寺をはじめとした歴史的建造物を活用した観光振興についてお答えいたします。  去る10月12日、勝興寺が国宝指定の答申を受けました。北陸3件目の国宝建造物が本県で指定されることは、高岡市はもちろん、本県全体の観光の魅力向上に大きく寄与するものと考えております。  今回の指定を受けて、勝興寺と地元有志らがライトアップなどの企画を行ったほか、高岡市としては、歴史遺産の魅力発信や案内看板等の国宝標記への変更、着地型観光の商品造成、参道前のにぎわいづくり、駐車場確保の検討など、受入れ環境整備に取り組むこととされておりまして、県に対しましては、全国への歴史資産の魅力の発信や県内観光資源との連携等、広域自治体としての役割を期待したいと伺っておるところでございます。  県としては、勝興寺の国宝指定という大きな注目度を生かしまして、来年秋の北陸デスティネーションキャンペーン全国宣伝販売促進会議及びエクスカーションでの全国のJR各社や旅行会社、メディア等へのPR、また、勝興寺のほか、御指摘の県西部の瑞泉寺や善徳寺、県東部の大岩山日石寺など、歴史的建造物の魅力をつなぎ、観光資源としての磨き上げへの支援など、この機会を誘客につなげてまいりたいと考えております。  先般、国の第2次補正予算におきましても、観光は成長戦略の柱であり地域活性化の切り札とされまして、観光産業の稼ぐ力を高めるためにも地方への積極的支援が盛り込まれたところでございます。  県としても、こういった各種補助制度等の積極的な活用を検討いたしまして、勝興寺をはじめとする歴史的建造物の観光資源の旅行商品化や周辺地域での旅行者の受入れ環境整備など、選ばれ続ける観光地づくりに取り組んでまいります。 18 ◯議長(渡辺守人君)廣島生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長廣島伸一君登壇〕 19 ◯生活環境文化部長(廣島伸一君)スポーツの振興に関する御質問にお答えをいたします。  県では、これまで、国内や世界でのひのき舞台で活躍できる選手の育成を目指し、県体育協会と連携し、アスリートに対するメディカルチェック、コンディショニング指導などのスポーツ医・科学サポートや強化合宿、遠征の活動支援などに取り組んできております。  昨年の東京2020オリパラ大会での5人のメダリストの誕生をはじめ、御紹介いただきました近年の国内外での県勢アスリートの活躍は、こうした事業の成果とも考えているところでございます。今後もさらなる競技力の向上のため、これまでの取組に加え、国の機関との連携やIoTの活用による選手強化に努めてまいります。  一方、本年度の県政世論調査結果の速報値における成人の週1回以上のスポーツ実施率、38.8%でございました。前回の令和元年の調査は上回っておりますが、昨年11月調査の全国平均を下回っている状況でございます。また、8月に実施されました県の事業見直し官民協働事業レビューにおきましても、スポーツ人口の拡大に向けた一層の取組が必要という御意見をいただいたところでございます。  こうしたことを踏まえまして、年齢や性別等に関係なく様々な人が集い、共にスポーツに親しむ機会の充実について検討を進めていく必要があると考えております。  県民の皆様が、する、見る、支えるという様々な形でスポーツに参画し、楽しさや喜びを得ることは、それぞれのウエルビーイングの向上に寄与するものでございます。スポーツへの関心がさらに高まるよう引き続きソフト、ハード両面で環境づくりに努め、県勢アスリートの活躍にもつなげてまいります。  以上でございます。 20 ◯議長(渡辺守人君)堀口農林水産部長。    〔農林水産部長堀口 正君登壇〕 21 ◯農林水産部長(堀口 正君)まず、富富富の作付、販路の拡大についての御質問にお答えします。  富富富の特徴につきましては、今年は穂が出た後の高温などがありましたが、こうした厳しい気象条件下でも9月30日現在、1等比率は95.5%と高品質が確保され、暑さに強いこと、草丈が短く倒伏しにくい特性を持ち栽培しやすいこと、肥料で2割、農薬で3割低減できることからコスト面でメリットがあることなどの生産面での優位性がございます。また、消費者やお米マイスター等から、粒立ちがよく、うまみ、甘みがしっかり感じられるなどの評価をいただいております。  作付面積につきましては、デビューした平成30年産の518ヘクタールから本年産の1,431ヘクタールと、担い手農家を中心に徐々に拡大しておりますが、コシヒカリには依然として根強い人気があることに加えまして、コシヒカリに比べ収量が若干低い、また、異なる栽培方法の受入れにちゅうちょされる小規模な農家の方もおられます。  このため、まずは、収量を安定的に確保するため、適正なもみ数への誘導等の技術対策を徹底しますとともに、生産者には、富富富の生産面での優位性、あるいは大手コンビニのおにぎりに採用されるなど需要が高まっていることなどを粘り強くお伝えしまして、栽培機運を高める、また、JA等の共同乾燥調製施設の受入れ態勢の強化などによりまして、生産拡大に向けた環境整備を整えていきたいと考えております。  販売面では、県内の学校給食へ提供、啓発を行っていますほか、環境に優しいエコなお米として、テレビCMやSNS、キャンペーン等を通じまして家庭を含めた需要拡大を図ることとしております。  富富富の生産・販売・PR戦略には、令和7年産の作付目標2,000ヘクタールを掲げております。引き続きJA等農業団体と連携いたしまして、高品質、良食味を追求しながら生産拡大にしっかり取り組んでまいります。  次に、農業用水路の安全対策についての御質問にお答えします。  農業用水路の転落死亡事故は10年間で200件発生していることから、国の緊急対策事業を活用いたしまして国費約10億円を確保し、令和2年度から2か年で幹線水路を中心に34.3キロメートルの転落防止柵を設置いたしました。  また、地域住民が自ら危険箇所を再確認し注意喚起を図ることが大事でありますことから、令和2年度、3年度に県内50地域でワークショップを開催し、住民目線で347か所の危険箇所を洗い出したところです。  これらの危険箇所については、地域の要望に沿って必要な対策を優先順位をつけて順次行ってきており、令和3年度には、転落防止柵21か所、ポールコーンや鉄筋網蓋等127か所の設置に支援をしてまいりました。また、市町村道の通学路等では、道路管理者と協議調整の上、安全柵13か所、外側線等52か所を設置いただくなど、連携して取り組んでおります。さらに、過去に転落事故が発生した危険度の高い地域を重点的に、ワークショップを今年度から年間20か所を3か年で開催していくこととしております。  しかしながら、県内の農業用水路は1万1,000キロメートルもあることに加えまして、草刈等の管理や防火、消流雪等に利用されている実態を踏まえますと、全ての水路に転落防止柵等を設置することは難しいといった実情もございます。  重要なのは、県民お一人お一人が、危険であり注意が必要なことを再認識していただくことであり、社会福祉協議会等と連携した安全対策講習会、自治会、PTA等と連携したワークショップの開催を通じまして、県内全域に普及啓発をしていきたいと考えております。  今後とも関係部局、市町村とも連携しながら、地域ニーズを踏まえたソフト、ハード両面からの計画的な安全対策に取り組んでまいります。  以上でございます。 22 ◯議長(渡辺守人君)杉本警察本部長。    〔警察本部長杉本伸正君登壇〕 23 ◯警察本部長(杉本伸正君)私からは、警察署の再編についての御質問にお答えいたします。  警察署の再編につきましては、新たな警察署の建設適地や警察署が統合され分庁舎となる地域の治安対策等に関して地域の方々から御意見を伺うため、先日、再編対象の4エリアにおいて管内別広聴会を開催いたしました。委員の皆様からは、建設適地の選定基準や具体的な建設候補地等について様々な御意見をいただき、現在その内容を取りまとめているところでございます。  幾つか御意見の例を挙げますと、新庁舎は幹線道路沿いの分かりやすい場所が望ましい、位置的に管内の中心付近に建設することが望ましい、事件・事故の発生状況だけでなく、商業・工業施設の集積度、将来の人口動態、財政面等も考慮したほうがよい、分庁舎となる地域の安全をしっかり守ってほしいなどの御意見をいただいたところでございます。  今後、県警察といたしましては、いただいた御意見を整理し、関係機関とも協議しながら、地域の皆様の御理解を十分得た上で慎重に建設地の選定を進めていくこととしております。  一方で、今回の再編は、変容する社会・治安情勢に的確に対応できる組織体制の構築と総合的な治安機能の強化が目的でございますので、スピード感を持って取り組んでいく必要もございます。住民の機運の醸成度にもエリアごとに差異が出てくる可能性もございますので、議員御指摘のとおり、検討が進んだエリアにつきましては、早めに建設地を決定していきたいと考えております。その上で、可能であれば、最も早いエリアにつきましては年度内に決定していくことができればと考えているところでございます。  以上でございます。 24 ◯議長(渡辺守人君)岡本経営管理部長。    〔経営管理部長岡本達也君登壇〕 25 ◯経営管理部長(岡本達也君)最後に私のほうから、県立大学の御質問についてお答えをいたします。  県立大学看護学部につきましては、本県の看護を担う質の高い人材を育成し県内定着を図るために、平成31年の開設時より県内就職率の目標を60%に掲げ、県内定着に向けて2年次から就職に関するオリエンテーションを実施するなど、計画的、継続的に様々な取組を行ってきております。  具体的に申し上げますと、職場の魅力を伝える機会にもなる実習施設として全ての公的病院を含む県内125か所の医療機関等に協力いただいているほか、県内の病院や訪問看護ステーションの魅力をPRする説明会や県内の若手看護職員との交流会の開催、県内の指定施設で一定期間従事した場合、返還が一部免除される看護学生修学資金制度におきまして、県立大学看護学部生に30名の優先枠を設定するなど、県内定着の促進に努めてきております。  こうした取組の結果、来春卒業する1期生の就職内定の状況でございますが、現在のところ県内の就職率は62%と、設定いたしました60%の目標を上回っているところでございます。  また、来年4月に開設する大学院看護学研究科及び看護学専攻科につきましては、学内推薦制度を設けて優秀な学生の確保に努めたところ、大学院看護学研究科におきましては、12月の一般選抜前に学内推薦選抜で2名が合格をし、公衆衛生看護学専攻におきましては合格者15名のうち14名が、助産学専攻におきましては合格者10名のうち6名が学内進学となったところでございます。  県としましては、今後とも、より多くの卒業生が県内の医療・介護現場で活躍し定着してもらえるよう、県立大学と連携しながら引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 26 ◯議長(渡辺守人君)以上で山本徹君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午前11時33分休憩       ───────────────────  午後1時00分開議 27 ◯議長(渡辺守人君)休憩前に引き続き会議を開きます。  中川忠昭君。    〔31番中川忠昭君登壇〕 28 ◯31番(中川忠昭君)私は、自民党新令和会を代表いたしまして、今定例会に提出されました諸案件並びに当面する諸問題について質問をいたします。  質問に先立ちまして、一言申し上げます。  世界的な規模で続く物価高、急速に厳しさを増す安全保障環境、2年半にもわたって世界を苦しめてきている感染症危機やエネルギー・食料危機、さらには、温暖化による気候危機、半年以上も緊迫した情勢が続くロシアによるウクライナの侵略、北朝鮮のミサイル発射による国際秩序を揺るがすような挑発行動、中国の覇権拡大など、今まさに国難とも言える危機的な状況に直面していることに、我々も気づかなくてはならないと思います。  県民の未来を切り開くため、政策を一つ一つ果断にかつ丁寧に実行していくことは当然のことであり、いざというとき、危機から県民の生命、財産を守るにはどう対応したらよいのか、常に考えながら県政はあるべきということを肝に銘じ、以下質問に入ります。  令和2年11月の新田県政スタートからはや2年が経過しました。  まず初めに、知事就任2年を振り返り、公約である富山八策と八十八の具体策の進捗状況などについて2点伺います。  知事は、民間の当たり前を県政にと訴え、県民目線とスピード感の下、現場を大切に行動され、県民が主役の県政を推進しておられます。  2年目の自己採点は、目標に届かず65点ぐらいとのことですが、我が会派としては、この2年における一番の成果は成長戦略策定であったと評価しているところであります。  知事は公約「富山八策」のロードマップを公表し、八十八の具体策については今年度中に約85%が達成可能との見通しを示されましたが、任期折り返し時点で現状をどのように受け止めているのか、新田知事に所見を伺います。  また、公約の実現に向け、先月、令和5年度当初予算の編成方針について発表されましたが、どのような方針の下で取り組むこととされたのか、来年5月、複数自治体による共催は初めてとなるG7富山・金沢教育大臣会合に向けた意気込みも含め、知事に所見を伺います。  次に、県民を取り巻く危機への対応について6点伺います。  まず、総合的な危機管理体制の構築などについて伺います。  6月には能登半島群発地震、8月には北陸地方で記録的な大雨が発生、県内でも都市水害が多発するなど、毎年各地で異常気象による自然災害が頻発し、大規模化、顕在化しております。また、9月下旬以降、相次ぐ北朝鮮によるミサイル発射などの国民保護事案、新型コロナや鳥インフルエンザなどの疾病も次々と発生しています。  このような危機管理事案の発生を鑑みると、今こそ地方公共団体において、防災、国民保護などの事務をはじめとする的確な危機管理を行うことが求められており、総合的な危機管理体制をより一層充実強化することが重要となってきております。  このような中、先月、富山県防災危機管理センターが完成いたしました。  地域の特徴や住民の視点、さらに女性や多様性の視点なども十分に踏まえ、危機管理についての指針や体制について課題を洗い出すなど、再度点検を行う必要があります。また、情報収集に当たり新しい技術を使うなど、地元の大学や民間の危機管理に関する知見を有する専門家などとも連携を図り、適時適切な助言を受けられる体制を構築し、県防災危機管理センターの能力を最大限生かしながら、ハード、ソフト両面からの総合的な危機管理体制を構築すべきと考えますが、知事の所見を伺います。  去る9月、政府は北朝鮮からのミサイル飛来を想定した住民避難訓練を魚津市で実施し、情報伝達や避難手順の確認が行われましたが、報道によれば、住民対象の避難訓練への参加者は47人、このうち住民は僅か6人とのことでした。  そもそも、実際にミサイルが飛来するはずがないと思っている住民にとって当然の結果であって、弾道ミサイルを想定した訓練については、実際に飛来した場合に具体的にどのような行動を取るべきなのか、まずは住民への理解を深めることが大変重要であります。  その上で、訓練の必要性を県民に丁寧に説明、周知することで、危機管理事案に対する県民意識の向上が図られるよう、市町村とも連携しながら取り組む必要があると考えますが、知事に所見を伺います。  次に、感染症の同時流行への備えについて伺います。  年末に向け、新型コロナ感染者数が全国的に再び増加することが懸念されていましたが、本県では一昨日の28日から感染警報を出す状況となってきており、新型コロナウイルス感染症の再拡大と季節性インフルエンザとの同時流行が危惧され、両ワクチンの同時接種も含めてワクチン接種の啓発や基本的な感染予防対策の徹底が一層重要となっています。  県では、これまでも医療提供体制やワクチン接種体制の確保をはじめ、様々なコロナ対策を講じてきていますが、この感染症の同時流行に備え、危機意識を持ってしっかりと取り組んでいかなければなりません。  国では現在、臨時国会で、コロナ関連の追加支援策を含んだ第2次補正予算案が審議されており、間もなく成立が見込まれております。県としても、さらなる対応が必要となってくると思われます。  そこで、今回の補正予算の編成に当たり、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザ同時流行に対して、どのような認識の下で対策を講ずることにしたのか、知事に所見を伺います。  次に、食料やエネルギーの安全保障について伺います。  食料やエネルギーの安全保障に対する懸念は、2050年までに食料需要が60%増加するとか、エネルギー需要増と限りある資源獲得をめぐって以前から世界的な問題となっている上に、このたびのロシアのウクライナ侵略により、食料の不足と食品価格や資源の高騰による供給問題が悪化しております。食料自給率38%、エネルギー自給率8%の我が国においては、極めて厳しい危機的な状況であると認識すべきであります。  物流も止まり食料が入ってこないときに県民の生命を守るための基礎的食料はどの程度確保すべきなのか、原油などのエネルギー資源が入ってこないときに電力をどう供給できるのかなど、真剣に考える必要があります。そのために、本県における食料やエネルギー自給率を高めていく必要があると考えます。今後の食料やエネルギーの安全保障の展望について、知事に所見を伺います。  次に、子供の安全・安心の確保について伺います。  ただでさえ少子化が進む中、地域の宝である子供たちを社会全体で守っていかなければなりません。  昨今、子供が登下校や送迎中に被害に遭う事故が多発し、八街市における通学路での事故や、幼稚園や保育所などの送迎バスへの置き去り事件など、子供の安全が脅かされる事案が多く発生し続けています。  そのため、本県では、県管理道路の通学路における危険箇所の解消や農業用水路の防護柵の設置、蓋がけなどの転落防止対策など、県民からの多くの要望箇所に順次対応してこられました。
     富山県安全なまちづくり条例では、通学路などにおける児童などの安全確保のための措置のみならず、学校や家庭、地域住民と連携した安全教育の推進にも努めるよう定めていることから、地域の実情に応じ、早期の効果発現が期待できるような対策を積極的に推進し、未来の富山県を担う子供たちの安全・安心の確保に最優先に取り組むべきと考えますが、知事に所見を伺います。  次に、包括的な社会資本の維持管理と除雪体制の構築について伺います。  地域の建設企業は、災害対応や除雪、社会資本の維持管理など、地域社会の維持に不可欠な役割を担っていますが、近年、企業体力の低下や小規模化などが進んでおり、採算性が低く、かつ一定の労働者や機械の確保が必要となる、いわゆる地域維持業務の担い手の減少は喫緊の課題であります。  今後は、災害応急対策、除雪、修繕、道路・河川パトロールなど地域の社会資本の維持管理を、地域精通度の高い建設企業が包括的な体制で実施することが求められています。  特に、これから降積雪期を迎えるに当たっては、令和3年の災害級の大雪の経験も踏まえ、市町村と連携した万全な体制で臨む必要があります。  県が昨年度に行った除雪実態に関するアンケートによれば、人員・オペレーター不足が深刻化しているとの回答が4割、企業で技術承継がなされていないとの回答は半数を超えています。また、除雪契約の在り方については、他県において実施されている包括的な契約について検討してほしい、実施したほうがよいとの回答が3割を占めています。  今後、社会資本の維持管理と雪害対策のため、市町村や地域住民とも連携し、包括的な社会資本の維持管理及び除雪体制の構築を推進すべきと考えますが、市井土木部長の所見を伺います。  次に、コロナ禍における県内経済の状況と成長戦略の展開、地域の活性化について5点伺います。  まず、県内経済の状況とコロナ関連支援策の取組効果の現状について伺います。  コロナ禍は県内経済に様々な変化をもたらしましたが、これまで県ではこうした難局を乗り越えるため、経済社会構造の急速な変化に対応し、県内中小企業がビヨンドコロナを見据えた成長発展を図るべく、事業の再建、DXや新たな販路開拓などの意欲的な取組を支援する富山県ビヨンドコロナ補助金などで支援をしてきました。その効果もあり、県内における経済活動も再開され、元のような状況に少しずつ戻りつつあります。  そこで、関連支援策がどの程度効果を出したのか検証し、その成果を発信することが必要と考えます。県内経済の状況とコロナ関連支援策の取組効果の現状について、知事に伺います。  次に、起業や事業承継の現状と課題について伺います。  国内の中小企業では、経営者の高齢化とともにコロナ禍にあって廃業を選択する事業者も増加傾向にあり、その一方で、積極的に行われた創業支援への取組とコロナ禍の緊急避難的な支援は、代謝なき新設を招いた側面もあり、今後の支援策の在り方も問われています。  今年の後継者不在率調査では、後継者が決まっていない県内企業の比率は55.24%で、全国平均の59.90%より少しはよいものの、全国23位でありました。  また、県内では、現在、起業が少ないと言われていることから、県では、先日の富山県成長戦略カンファレンス「しあわせる。富山」ビジョンセッションにおいて、県内の起業家やベンチャー起業家らが、自身の経験を踏まえ、起業家を増やしていくための方策や課題を本音で語り合う機会を設けられていました。  そこで、コロナ禍における起業や事業承継の状況はどのようなものか、現状と課題、今後の支援の取組と併せて三牧知事政策局長に伺います。  次に、県庁におけるデジタル化の課題と取組について伺います。  現在、コロナ禍でデジタル化が急速に加速しています。既に多くの企業では、何らかの形でテレワークを取り入れ、オンラインによるミーティングも一般化しつつある一方、行政のデジタル化は非常に遅れているという印象であります。  本県でも県庁オープン化戦略に基づき、デジタル技術を活用した庁内の働き方改革を進め、住民サービスの向上などを図ることを目指していますが、まだまだ十分ではありません。  元来、行政では紙や判こを求める習慣が常態化しており、提出書類についても前例踏襲のものが多いのであります。簡素化、デジタル化のためにも、ひもづく様々なシステムとの連携も重要となりますが、例えば県発注の建設工事などにおいてもペーパーレス化が進展していません。  行政には根強い前例主義がありデジタル化の阻害要因となる中、県庁におけるデジタル化に一層取り組む必要があると考えますが、どのような課題があり、どのように取り組むのか、現状も踏まえ知事政策局長に所見を伺います。  次に、DXを活用した効率的な医療・福祉サービスの確保について伺います。  2025年には団塊の世代が全て75歳以上となる超高齢社会を迎えます。健康増進や切れ目のない質の高い医療の提供に向け、医療・福祉分野におけるデジタル化を進めていくことは非常に重要であります。  また、コロナ禍にあって改めて認識された課題として、平時から、データ収集の迅速化や収集範囲の拡充、デジタル化による業務の効率化やデータ共有を通じた医療の見える化の推進などにより、即時対応が可能な体制を構築することも急務であります。  急速なデジタル化が進展する一方で、管理体制の構築が追いつかず、例えば、大阪急性期・総合医療センターでのサイバー攻撃に見られるように、防御と電子化の両立の難しさが浮き彫りになりました。こうしたサイバー攻撃への対応を強化しながら、DXを通じたサービスの効率化、質の向上を実現し、医療・福祉サービスを確保していくには、課題の解決は避けて通れません。  県では、昨年度末の医療・福祉分野のDX化推進会議の開催以降、特段の取組は見受けられませんが、今後どのように取り組んでいくのか、県立中央病院や県リハビリテーション病院・こども支援センターの状況と併せて、有賀厚生部長に所見を伺います。  次に、公共空間における官民連携によるにぎわいの創出について伺います。  先日も県庁前でマルシェが、また富山市親水広場では町なかたき火「TAKIBICITY」が開催されるなど、官民が連携したにぎわいが創出され、私も我が会派の議員も参加しましたが、大変盛況でありました。  このように、昨今、公共空間では、規制緩和による民間活力の導入や、民間主体の営利活動や占用を認めることで、地域の活性化やにぎわいづくりに取り組む事例が全国的に多く見受けられるようになりました。こうした取組は、地域における良好な環境や地域の価値を維持向上させ、その魅力がさらに高まる効果が期待されます。  公共空間を積極的に活用し、民間や若い人たちの創意工夫を最大限に生かしながら、もっと町に出たくなる楽しい空間を形成し、日常生活の中で文化芸術を身近に体験できるよう、地域の様々な主体が連携し、町全体で文化芸術に親しめる空間の創出を図るべきであります。  そこで、公共空間が文化芸術やにぎわいの場として、様々な団体が活用できる仕組みづくりや、その未利用スペースを活用した地域の文化活動の場づくりを誘導するなど、民間と行政が緊密に連携した継続的なエリアマネジメントを積極的に推進すべきと考えますが、知事の所見を伺います。  次に、持続可能な社会の実現について5点伺います。  まず、持続可能な農業の実現について伺います。  農林水産省が、一昨年5月に農業の生産力向上と持続性の両立実現を目指すみどりの食料システム戦略を策定し、2050年までに有機農業を耕地面積全体の25%に拡大するという高い目標を盛り込んだことを踏まえ、県でも、この3月に第2期とやま「人」と「環境」にやさしい農業推進プランを策定し、本県農業の持続的な発展のための取組をさらに推進することとされましたが、25%に達する意欲ある計画とは思われません。  今後、環境負荷を軽減した持続可能な農業を実現するためには、県民に対する有機農業についての啓蒙普及とともに、栽培技術の指導者育成と生産者の確保を図り、まずは学校給食から導入するなど具体的な目標を掲げ、県を挙げて取り組まなければ、とても実現できるものではないと考えています。  平成18年に有機農業法ができて、なぜ進まなかったのか分析し、25%達成に向かってのロードマップを作り、県を挙げての取組が必要と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、現状と課題と併せて知事の所見を伺います。  次に、関係人口の拡大に向けた取組について伺います。  県では成長戦略のビジョンとして、幸せ人口1000万を打ち出されました。現在、全国の自治体が関係人口の創出に力を入れ始めており、18歳以上の居住者の20%弱、1,800万人近くが関係人口というデータもある中で、関係人口市場の競争激化が問題となっています。  知名度が高くない地域やアクセス条件の悪い地域は、戦略的なPRを実施しなければ競争を勝ち抜けず、さらなる地域格差を助長してしまうことが懸念されます。特に、IT化やDX推進が遅れた地域では、地域の魅力や情報が適切に届けられず、関係人口創出や拡大を阻む要因になることが危惧されます。  その一方で、関係人口の創出に関する様々な取組が増えているものの、継続的に関係を構築する手法までは、いまだ確立していないと思われます。例えば、合宿や修学旅行、今回のG7教育大臣会合関連イベントなどのコンベンション誘致だけではなく、今後は官民含めてどのようにして地域外の住民を巻き込み、継続的に関わり合いを持てる仕組みづくりが確立できるかがポイントになると考えます。  新たな視点から差別化を目指し、今後どのように取り組むのか、知事政策局長に伺います。  さらに、世界に目を向けてはどうか。先般、横田副知事と南米訪問した際、富山県人会の3世、4世の日本語離れと富山県に来たことがないという課題に対して、例えば、本県で富山県人会世界大会を行って関係人口を増やしてはどうかとの提案を受けましたが、横田副知事に所見を伺います。  次に、持続可能な地域公共交通などの確保について2点伺います。  まずは、新たな地域公共交通計画の策定について伺います。  人口減少、少子高齢化時代、コロナ禍にあって、地域を担う公共交通は、経営面から見ると危機的な状況にありますが、誰も取り残さないという観点から地域になくてはならない移動手段であり、利便性を第一義に考えることが重要であります。欧州では燃料高騰になったら運賃を下げて乗客を増やします。まさしくSDGsに貢献するものであります。  現在策定作業が進められている新たな計画では、欧州における持続可能なモビリティー計画、いわゆるSUMPの考え方を参考に議論が進められていますが、ぜひこの考え方を具体化し、公共の関与を強め、財源確保の議論も行いながら、ウエルビーイングの向上をもたらす最適な地域交通サービスの実現を目指すべく議論をし、県民皆がその存在意義をよく理解できるための情報を発信することが肝要と考えますが、田中交通政策局長の所見を伺います。  次に、富山空港国際線の再開について伺います。  国内では、新型コロナの水際対策が大幅に緩和された結果、海外からの観光客が戻り始め、航空会社側にも前向きな動きも出始め、地方空港でも、順次、国際線の受入れが再開され始めました。しかし、富山空港の国際線については、需要回復が見込めないとの理由などから、今なお全便で運休状態が続いています。  コロナ禍前の富山空港国際線では、ピーク時には年間12万人余り、最も利用者数の多い台北便では5万7,000人余りが利用されていました。台湾からの訪問客に大変人気のある立山黒部アルペンルートは、春先から夏にかけての需要が多く見込まれることから、県内観光関係者からその再開が強く望まれております。  一方、小松空港国際線をめぐっては、先日、来年春以降に小松・台北便が運航再開される方針との報道もありました。本県もこのような流れに遅れることなく、来年の夏ダイヤでの再開に向け積極的なトップセールスが必要と考えますが、現在の取組及び再開に向けた空港受入れ体制の状況と併せて知事に所見を伺います。  最後に、未来を担う人づくりなどについて4点伺います。  2月定例会の代表質問でも主張しましたが、私は、ウエルビーイングを享受できる成長戦略を達成するには、何よりも次世代の価値を育む人材が必要であると考えます。このことを踏まえ、まず初めに、未来を見据えた本県高校のあるべき姿について伺います。  9月定例会でも多くの議員が取り上げた来年度の県立高校の定員削減に関する議論を見ると、目先の数合わせに終始した決定と言わざるを得ず、県民や地域の納得が得られたものとは言い難いものでありました。  今月には2回の県総合教育会議を開催され、知事自らが一委員として意見を述べられるなど、この問題に取り組もうとする思いが強く感じられました。  二次募集をしても欠員が増え続けるとともに、県外への流出が続いている現状、さらに、10年後、15年後の県内及び各市町村における中学3年生の数は推定でき、その姿を見れば、現高校体制を変えなければならないのは必然であります。  つまり大事なことは、現在の高校体制を変えるための議論を、突き抜けた議論をすべきであり、現体制を存続する議論はやめて、今後の本県教育のあるべき姿、抜本的な見直しの方向性について、県民にその展望を早急に示すことであります。  知事にはぜひリードしてほしいし、市町村長とも大いに意見交換をしてほしいと考えますが、知事の所見を伺います。  次に、ウエルビーイングの実現に向けた優秀な人材の確保について伺います。  コロナ禍にあって、安定した公務員や教員の人気は高まると思われましたが、現実は違いました。特に、公務員の技術職員が募集定員割れになるなど、公共インフラ維持に必要な人手が不足するということが起き始めています。  他県職員や教員からの受入れ、採用試験日の柔軟な対応などの工夫も考えられるのではないでしょうか。また、県内の有効求人倍率は1.5倍後半が続いていますが、介護、看護や建設、農業などの分野では人手不足の状態が改善されず、ミスマッチングの状況をどのように分析しているのか。  そこで、県庁職員や教員を含む、県内産業における人材の確保と人材育成への支援に一層強力に県を挙げて取り組む必要があると考えますが、知事に所見を伺います。  また、知事は8月のオレゴン州訪問の印象として、「起業家マインドあふれる人が多く、大学をはじめそれを育む施設も多く、伸び伸びとした中でみんなが起業に挑戦している。とても見習うべきだ」と振り返っておられました。  県はスタートアップの支援を成長戦略の柱の一つとして、上場を目指す新興企業を支援する取組をスタートされましたが、ロールモデルをつくり、県内の起業家マインドがさらに醸成されることを期待しております。勇気と情熱を持って飛び出そうとする人たちをしっかりサポートし、また、起業家教育の導入など学校教育段階をはじめ、どんどんチャレンジするよう導いていってほしいと考えますが、起業家マインドの醸成のための今後の取組について、その意気込みも併せて知事に伺います。  最後に、平和に関する敬意と感謝をする心の醸成について伺います。  去る8月4日、富山市八ケ山の旧陸軍墓地内にある忠霊塔前庭において、県遺族会主催による慰霊祭が営まれました。忠霊塔は1941年に建てられ、県出身戦没者2万8,748人が祭られており、コロナ禍の影響で3年ぶりの開催となった今年の慰霊祭にも多くの方が参列されました。  我が国は、終戦から77年の歳月が過ぎていますが、祖国の平和と繁栄を願いながら命をささげられた貴い犠牲の上に今日が築かれていることを決して忘れてはなりません。世界に目を移せば、様々な要因によっていまだ紛争が頻発しており、私たち一人一人が戦争を過去のものとせず、平和とは何か問い続ける姿勢が大切と考えます。  先日、遺族会から知事宛てに、戦後80年の節目を見据え、忠霊塔の環境整備についての要望がなされたとお聞きしています。今こそ忠霊塔に祭られた先人の志を受け継ぎ、ふるさとのさらなる発展のため、平和に対する敬意と感謝をする心の醸成に取り組むべきと考えますが、知事に所見を伺いまして質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 29 ◯議長(渡辺守人君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 30 ◯知事(新田八朗君)自民党新令和会を代表しての中川忠昭議員の御質問にお答えします。  まず、富山八策と八十八の具体策の進捗状況についての御質問にお答えします。  私が公約で掲げました八つの重点政策、八十八の具体策については、知事就任以来この2年間でロードマップを作成、公表し、予算に関連しないものを除き、全て予算化して着実に進めてきており、令和4年度末までには88項目中75項目、約85%が達成可能と見込んでおります。折り返し地点の状況としては及第点をいただけるのかなと自己評価をしております。  また、八十八の具体策の中の一つである成長戦略の策定、このことにつきまして御評価をいただきまして、ありがとうございます。今年の2月に、この厳しい経済情勢を乗り越え、新しい富山県のさらなる発展に向けて、ウエルビーイングを中心に位置づけた富山県成長戦略を策定、公表しております。今年度を成長戦略実行の年と位置づけまして、成長戦略カンファレンス「しあわせる。富山」で成長戦略とそのビジョンを広く発信し、県内外の多様な人材と連携を広げ、新たな政策やプロジェクトの創出にも取り組んでいます。  また、「ワンチームとやま」連携推進本部を設置し、市町村との連携協力体制を深くしております。また、SCOP TOYAMA開設をはじめとしたスタートアップ支援の拡充、県立大学での情報工学部新設に着手したこと、また、オレゴン州とのMOUを締結できたことなど、この2年間、様々な施策を実行し、本県の未来への種まきができてきたと考えております。  これからの任期後半の2年間では、引き続き、県民目線、スピード重視、現場主義、これらを徹底し、私の任期であります令和6年度での公約9割達成を目指しますとともに、ビヨンドコロナの時代における本県のさらなる発展と県民の一層の幸せを実現するため、全力で取り組んでまいります。  次に、令和5年度当初予算の編成方針とG7富山・金沢教育大臣会合に向けた意気込みについての御質問にお答えします。  県ではこれまでも、「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」の実現に向けて、県民が主役の新しい富山県をつくっていくため、八つの重点政策、八十八の具体策、また、富山県成長戦略などに基づく各種の取組を着実に実行してきたところです。  来年度の予算編成におきましても、県民の命と暮らしを守ること、まずは生活者・事業者支援をはじめとする原油価格・物価高騰対策、そして新型コロナ対策に、引き続きスピード感を持って取り組んでまいります。  また、少子化対策や子育て環境の充実など子供政策を強力に推進するほか、スタートアップ支援などの経済の活性化、カーボンニュートラルの実現、人への投資などに重点的に取り組みます。  さらに、新たに県庁活性化方針を定めることとしておりまして、持続可能な県政推進体制の構築にも取り組むこととしております。DX・働き方改革や多様な人材の活用などについて、具体的な取組を検討してまいります。  来年5月のG7富山・金沢教育大臣会合については、これを契機に子供たちの自信と誇りを大きく育み、ウエルビーイングの向上につなげるとともに、本県の高い教育力や自然、伝統、文化、食の魅力などを世界に発信したいと考えており、機運醸成や関連事業を計画的に行ってまいります。  このために、来年度予算に先立ちまして今回の11月補正予算案で、会合に向けた準備経費と併せまして、県内中高生を対象としたこどもサミット──仮称ですが、これの開催経費なども計上させていただいており、今後、共同開催の相乗効果が十分に発揮できるよう、石川県とも連携しながら準備に万全を期してまいりたいと考えております。  折しも昨日、偶然ですが、6年前の富山環境大臣会合を議長として主催された丸川珠代参議院議員にお会いする機会がございました。6年前、富山市、また富山県に大変にお世話になったということで、大変に成果のある環境大臣会合を議長として務め上げることができて大変に感謝しておりますと、来年の教育大臣会合もぜひ頑張ってくださいと、成功間違いなしですよとは言ってもらえませんでしたが、そのような期待を感じたところでございます。  次に、総合的な危機管理体制の構築についてお答えします。  自然災害が激甚化、頻発化している昨今、県民の生命、財産を守るため、先月供用開始をしました防災危機管理センターの能力を最大限に生かし、災害時に速やかに初動体制を確立し部局横断で迅速的確に対応する体制の構築が重要だと考えております。  センターの供用開始後、早速10月には総合防災訓練、今月に入ってから国民保護共同図上訓練、原子力防災訓練をそれぞれ、小矢部市、また入善町、そして氷見市と協力をして実行しましたが、消防庁や民間の防災コンサルタントさんの知見なども反映をしまして、新規に設置した映像情報システムといったセンターの機能を最大限活用した訓練に努めました。  具体的には、把握した情報をリアルタイムで災害対策本部員会議や外部の関係機関と情報共有し、迅速適切な意思決定につなげる訓練、災害現場のドローン映像や写真情報をリアルタイムにセンターの災害対策本部で共有する訓練などを実施いたしました。  御指摘いただいたように、災害をはじめ危機管理事態に適切に対処していくためには、県内各地域の特徴や住民の状況把握、女性や障害者をはじめ多様性への対応などについて、常に課題の洗い直し、点検を行い、危機管理指針や体制を見直すことが大切です。  今後、防災会議の委員を務める有識者の方々や危機管理に精通したコンサルタントの知見も活用し、必要に応じて危機管理基本方針や地域防災計画を改定していくなど、ハード、ソフト両面から総合的な危機管理体制を構築してまいります。  次に、北朝鮮からのミサイル事案への対応についてお答えします。  北朝鮮が日本海に向けて発射したミサイルは、今年に入り31回と頻発化しており、こうした行為は我が国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できません。  今後も発射が懸念されることから、県民の皆さんの理解を深めるため、去る9月に魚津市において、国と共同で弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施しました。訓練の2日前に参加者などを対象に勉強会も開催し、国民への迅速な情報伝達や住民が取るべき弾道ミサイル落下時の行動について丁寧に説明をしました。  訓練の成果として、国、魚津市、あいの風とやま鉄道などと協議し、情報伝達及び避難誘導について実践的な訓練ができ、住民避難訓練では、ミサイル発射情報伝達後3分以内に訓練参加者全員が警察官などの誘導により地下道へ避難することができました。また、訓練にはマスコミと13人の県外参観者を含む計55名の訓練参観があり、魚津市のみならず広く県内外に啓発が図られました。  そのような成果はあったと認識をしておりますが、まだまだ100点満点とは考えてはおりません。今回は平成29年度の高岡市での開催以来5年ぶり2回目のことでございました。今後も着実に訓練を重ねていくことによって、より実効性のある、そして本番にも万が一のときにも通用するような、そのような体制づくりをしていきたいと考えております。  そして、今月3日の北朝鮮の弾道ミサイルの発射によって、新潟県を対象にJアラートが発信されましたが、その際には県のホームページやツイッターで、弾道ミサイル落下時の行動について県民に改めて周知をいたしました。  今後とも、北朝鮮からのミサイル飛来を想定した住民避難訓練や県民の危機意識の向上などについて、市町村と連携しながら対応してまいります。  次に、新型コロナとインフルエンザの同時流行についての御質問にお答えします。  本県でこの2つの感染症が同時流行した場合、1日最大約5,600人の患者発生を想定しております。ということで、地域によっては平日でも発熱外来が逼迫するおそれがあります。このため、まずは同時流行を防ぐことが重要でありまして、未就学児のインフルエンザワクチン接種への助成に加え、市町村が行う小学生への接種助成も支援対象とし、発症や重症化の予防効果が期待できるオミクロン株対応の新型コロナワクチンと併せまして、年内に接種いただくよう、あらゆるメディアを使って呼びかけているところです。  また、今回の補正予算案では、重症化リスクの高い方への感染を防止し医療提供体制を確保するため、クラスター対策として、高齢者、障害者、児童福祉施設や医療機関に検査キットを配布し、従事者や新規入所者を対象とした定期的検査を実施することとしております。加えて、介護サービス事業所の職員感染に伴う人材確保や消毒、清掃などの職場環境の復旧に係る費用、施設内療養のかかり増し経費に対する支援も増額をしております。
     さらに、医療提供体制につきましては、医療機関の御協力を得て確保病床や発熱外来の診療時間の拡充に努めてきたほか、救急医療機関に対し、通常の医療機関が休診する年末年始などの体制を拡充するため、必要な経費を支援する予算を本議会に提案をさせていただいております。  引き続き、医療機関や市町村とも連携し、感染拡大防止と医療提供体制の充実強化などに努めまして、この冬の同時流行対策に取り組んでまいります。  次は、食料やエネルギーの安全保障の展望についてお答えします。  我が国の食料自給率──カロリーベースですが、これは令和2年で37%にとどまっており、食料の安定供給に影響を及ぼすリスクが顕在化しつつあります。また、エネルギー自給率についても13%余りにとどまっております。  国内原発の多くが停止し火力発電に頼らざるを得ない中で、海外から輸入する燃料などの価格高騰が重なり、光熱費やエネルギー価格上昇の負担が国民生活や産業などに影響を及ぼしております。  県では、地球温暖化防止や環境保全に配慮しながら、食料及びエネルギーの安定供給に向け、取り組むことが重要と考えております。  このため、食料については、米生産が主体の本県の食料自給率は令和元年で76%と高い水準にありますが、さらに生産力強化や食品ロス削減を進める必要があり、米と大豆、大麦などを組み合わせた水田フル活用の推進、農地の大区画化、汎用化整備や担い手の確保、また、牧草や飼料用米などの自給飼料の生産供給体制整備を行っています。また、消費面では、地産地消や食育を推進しているところです。  エネルギーにつきましては、地産地消の観点から、とやま水の郷でんきの供給や小水力発電の開発など再生可能エネルギーの活用を進めているほか、市町村でも、地域新電力への参画など分散型エネルギーシステムの構築に取り組まれておられます。  県としては、引き続き、本県農林水産物の安定生産と消費拡大を進めるとともに、現在策定を進めておりますカーボンニュートラル戦略でも、再生可能エネルギーの最大限の導入に取り組むこととしており、食料やエネルギーの安全保障の観点からも積極的に進めてまいりたいと考えております。  次に、子供たちの安全・安心の確保についての御質問にお答えします。  子供たちの登下校の安全対策については、これまでも、県警による街頭指導や交通違反の取締りのほか、PTAや自治会による見守り活動、また学校においては、通学路の危険箇所を把握するための地域安全マップの作成や交通安全教室の開催などによる子供への安全教育に取り組んできています。  さらに、小学校の通学路については、市町村が定める通学路交通安全プログラムに基づき、定期的に学校、県などの道路管理者、警察などが合同で点検を行ってまいりました。昨年6月の千葉県八街市の事故を受け、改めて関係者による合同点検を実施し、昨年12月に市町村において対応案がまとめられ、県管理道路においても歩道の整備やカラー舗装化など対策を着実に実施してきています。  送迎中の安全対策についてですが、今年9月に起きた静岡県牧之原市の送迎用バスでの置き去り事件を受け、全国一斉に幼稚園、保育所等の送迎用バスの緊急点検が行われ、県でも実地検査を実施しているところです。国では、幼稚園や保育所等の送迎用バスに置き去りを防止する安全装置の設置を義務づけることとし、バスに乗車する職員の研修費用などとともに、これを支援するための経費を第2次補正予算案に盛り込み、今臨時国会に提案されておられます。  県としても、未来の富山県を担う子供たちの安全・安心のため、市町村や警察、PTA、ボランティア団体の方々と連携し、地域ぐるみで安全対策に取り組んでまいります。  次に、中小企業などに対するコロナ関連支援策についての御質問にお答えします。  本県の経済情勢は、生産の持ち直しの動きが見られるなど緩やかな改善が続いている一方で、物価上昇や部品などの供給面での制約などのほか、新型コロナの影響を注視していく必要があります。  このような経済環境の変化に対応するために、業態転換などによる新規事業の立ち上げや、デジタル化、DXなどでの生産性向上などに取り組む県内企業を後押ししていく必要があります。  県では、新型コロナの影響を受けた中小企業などの反転攻勢につなげるため、リバイバル補助金やビヨンドコロナ補助金などにより、切れ目なく支援をしてまいりました。  また、制度の内容については、利用者からの御意見や経済情勢の変動も踏まえて随時見直し、拡充をしてまいりました。例えば、補助率や上限下限などの変更、売上げ減少に加え利益減少した事業者も対象に追加、省エネ・コスト削減枠という新しい枠をつくったことなどにより、多くの利用をいただいております。  今年度のビヨンドコロナ補助金については、3,095件、30.5億円の採択を行いました。現在、異分野、異業種への参入、AI、IoTなどを活用した作業効率化、照明のLED化や高性能空調などの導入による消費電力の縮減、CO2の削減など、中小企業などの成長発展につながる様々な取組が進められているところです。  今後は、これらの進捗状況に留意をしながら、参考となる優良事例について、県あるいは新世紀産業機構のホームページで御紹介し、リバイバル補助金の成果につきましては既に紹介をしておりますが、各支援機関における経営相談での助言に御活用いただくなど、事業効果が最大限発揮されるように中小企業などを支援してまいります。  次に、官民連携によるエリアマネジメントについての御質問にお答えをいたします。  都市公園などの公共空間を活用したにぎわいの創出やエリア価値の向上に向け、官民が連携したエリアマネジメントを推進することは大変重要だと考えます。このため県では、民間事業者からのワンストップ窓口である官民連携・規制緩和推進デスクにおいて、県有施設や未利用財産の活用、一定の条件下での営利活動など、民間活力の積極的な導入に向けた対話を行っています。  議員に御紹介いただきましたケンチョウマルシェは、官民連携人材育成研修を受講する若手職員が、官民連携による公有財産の有効活用とにぎわい創出という観点で実証実験を行っているものです。  この成果も踏まえ、先般、旧NHK跡地など県庁周辺の公有地について、マルシェを企画する若手職員も含めた組織横断の庁内検討チームを設置し、まちの活性化にも資する効果的な活用に向けた検討を始めました。今後、民間と行政が緊密に連携したエリアマネジメントの観点も踏まえながら、検討を進めてまいります。  全てを県庁、役所でやるという自前主義を諦めるのではなく、そこから脱すること、官だけでやるよりも官民で手を組んでやったほうがよりクオリティーも上がるんだと、また場合によってはコスト削減もできる、そのような観点から引き続きこの官民連携をしっかりと進めてまいりたいと思います。  さらに、先月開催しました成長戦略カンファレンスにおいて、民間の委員から、官民連携の拠点となるシンクタンクとして新たな民間主導型の組織、富山しあわせデザイン──仮称ですけども、そのような構想を御提案いただきました。県民のウエルビーイングの向上や魅力的なまちづくりに資する斬新で自由な発想によるプロジェクトが展開されるのではないかと期待しており、この富山しあわせデザインという組織に対しまして県としてどのような支援ができるか、今後、見守っていくとともに検討してまいりたいと考えております。  次に、有機農業についての御質問にお答えします。  本県の有機農業の取組面積は、令和3年度で216ヘクタールと近年伸び悩んでいます。その要因ですが、生産面では、周辺の慣行栽培──いわゆる通常の肥料も農薬も使う栽培ですが、それとの調整、それから労力を要する除草作業、必ずしも安定しない収量、品質、これらのことに加えまして、販売面でも労力や費用に見合う価格設定や販路確保が困難などの課題があるのではないかと分析をしております。  こうした中、県では持続可能な農業の実現に向けて、農業・農村振興計画において、令和8年度の有機農業取組面積を300ヘクタール、令和13年度には600ヘクタールとする目標を掲げておりまして、新たに、普及指導員を対象とした実践研修、また、とやま有機農業推進大会を開催し、先行して実践しておられる方々のノウハウを共有したりもしました。また、有機栽培技術事例集の作成、そしてそれを配布しました。また、南砺市をモデルとした有機農業産地づくりへの支援も進めているところです。  今後、有機農業の拡大に向けては、まず生産面で、指導者の育成と新規栽培者への技術あるいは経営指導、水田除草機などの導入支援などに加えまして、販売面では、生産、流通、消費などの関係者のネットワークづくり、議員も御提案いただきました学校給食への有機農産物の提供などが必要だと考えております。また、中長期的には、病害に強い品種やICTなどを活用したスマート技術の導入なども必要であると考えます。  県では現在、みどりの食料システム法に基づく基本計画を市町村と共同で策定しておりまして、今年度中に策定を完了することにしております。その中では、今後のロードマップの作成も含めて検討を進めるとともに、国の支援策などを活用しながら有機農業の推進に取り組んでまいります。  次に、富山・台北便についての御質問にお答えします。  富山・台北便につきましては、新型コロナ感染症の影響により、令和2年3月から運休が続き、現在の冬ダイヤ期間──これは来年の3月25日までですが、運休の期間が延長されています。  運航会社であるチャイナエアラインの名古屋支店とは運航再開に向けた協議を重ねており、航空機の誘導や旅客案内などのグランドハンドリング業務の体制、また、税関、出入国管理、検疫というCIQ体制の確保が必要不可欠とされています。  このため、来月、富山空港の運営に携わる国を含めた関係機関が連携して空港業務の再開訓練を実施し、業務内容の再確認を行い、受入れ体制の準備に万全を期すこととしています。  富山・台北便は、議員御指摘のとおり、本県のインバウンド観光に極めて重要な路線です。また、これまでも本県で日台観光サミットを2019年に開催しましたが、このことに表れているように、お互いの交流促進に取り組み関係強化を図ってきたことから、欠くことのできない路線であると考えております。  このため、来月、台北に交通政策局長を派遣し、チャイナエアラインに対し、来年の夏ダイヤ──すなわち3月26日からでありますが──に運航が再開されるよう要請することとしています。  私としても、情勢をにらみつつ、運航再開に向けたトップセールスに鋭意努力してまいります。  次に、本県高校のあるべき姿についての御質問にお答えします。  本県の第2期富山県教育大綱においては、様々なニーズに対応した教育環境の整備が進められ、子供や若者が未来に希望を持って魅力ある教育を受けられること、このことを目標の一つとしており、社会の変化や生徒、保護者のニーズなどに対応した高校教育の一層の充実を図るとともに、少子化に対応しつつ、時代の進展を見通した魅力ある高校の在り方についての検討が喫緊の課題であると考えています。  議員御指摘のとおり、さきの9月議会において多くの御意見をいただいたことも踏まえまして、本県の将来を担う子供たちが、未来に希望を持って魅力ある教育を受けられるように、教育環境を整備することが重要です。  現在、総合教育会議では、学級編制や公私比率について、私も意見を述べ、他の委員と議論を深めてきています。また、教育委員会の令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会では、有識者の御意見も伺いながら、普通科や職業科の在り方や定時制、通信制の在り方をはじめ、本県高校の魅力ある学校づくりの方向性について議論を進めているところです。  私としては、こどもまんなかの視点に立って、県議会をはじめ、市町村長、県民の皆様の意見も幅広く伺いたいと考えており、今後、教育の充実に向けた展望や基本的な方向性に関して、総合教育会議の下でしっかり検討を進めてまいります。  次に、県庁職員や教員を含む県内産業における人材確保への支援についての御質問にお答えします。  本県の雇用情勢は、議員御指摘のとおり、介護、看護、建設、農業などの特定の分野においては、有効求人倍率が約4倍から約9倍程度と深刻な人手不足が生じており、各分野において、学校教育から社会人に至る各年代や環境に応じた人材確保育成施策に取り組んでいます。  また、富山労働局などの関係機関と連携をし、若者や氷河期世代などを対象とした合同企業説明会をはじめ、外国人や高齢者雇用などの人材確保対策、職業訓練などの人材教育にも取り組んできています。  一方で、県職員においても、県職員採用上級試験では今年度の最終競争倍率が3.0倍と、記録に残る昭和54年以降では最低となっており、今後、人事委員会とも協力をして、採用試験の受験者数の増大に向けた試験内容の見直しや中途採用の推進などにより、優秀な人材の確保に努めていかなければならないと考えます。  また、教員については、今年度採用の競争倍率が2.0倍と、こちらも過去最低だったことを踏まえて、県教委においては、優秀な教員の確保に向け、採用検査内容を大幅に見直すとともに、他県の現職教員や本県の定年前退職者を対象とした特別選考の新設などに取り組んでもらっています。  県としては、人材確保などの観点からも、官民ともにDXと働き方改革を推進し、それぞれ魅力ある産業になってもらうことが重要であると考えており、各分野の関係機関と連携をして、こうした課題に対応した施策に取り組んでまいります。  次は、起業家マインドの醸成についての御質問にお答えします。  富山県成長戦略では、ウエルビーイングの向上に向けて、挑戦できる環境づくりや人づくりを戦略の基盤としておりまして、起業家の創出は最も重要な取組の一つであると考えています。まずは若者に、起業を進路の選択肢の一つとしてもらうことが大切です。  国では、来年度から起業家教育の実施の支援対象を小中高校へ拡大することとしておられますが、本県においても、創業支援センターSCOP TOYAMAにおいて、学生向け起業家教育セミナーや施設利用者と学生との交流イベントを開催するほか、県内のインキュベーション施設や市町村、経済団体などとも連携しながら、起業家の存在を身近に感じてもらう機会や環境を整えてまいります。  加えて、実際に起業を希望する学生に対しては、社会全体で支援を行いロールモデルとすることで、県全体の起業マインドの醸成を進めます。  まず、若者によるビジネスプランを県内から広く募集し、10月にはとやまワカモノ・サミットを開催したところ、高校生の架谷百乃さんがグランプリに選ばれ、今後、プランの実現に向けて県としても支援をしてまいります。  また、デジタル技術を活用した実証実験の事業では、Digi-PoC TOYAMA(デジポックとやま)という名称の事業でございますが、7つの採択した提案の中の一つは、県立大学の学生起業家のものが採択をされました。引き続き、学生ベンチャーの創出についても大学などともしっかりと連携していきたいと考えます。  こうした若者の取組を、起業家を集中的に支援するT-Startup企業につなげまして、若者が目指したくなるようなロールモデルとして確立できるよう全力で取り組んでまいります。  このように様々な主体に対して様々な取組を促していく、これが本県においてもスタートアップのエコシステムの確立につながっていくものというふうに考えております。  私からは最後になりますが、忠霊塔についての御質問にお答えします。  富山市八ケ山の旧陸軍墓地にある県所有の富山県忠霊塔は、県出身戦没者の慰霊碑として2万8,000余柱が合葬されており、毎年8月上旬に県遺族会の主催で、御遺族らの参列の下、慰霊祭が執り行われております。  先月、県遺族会から3年後の戦後80年の節目に向けて、戦争の悲惨さと平和の尊さのシンボルであり、次世代に伝える重要な施設である忠霊塔について、外壁補修をはじめとした計画的な環境整備の要望をいただいたところでございます。  県としては、まずは安全性の観点から、築81年経過による石板剥落の危険性がある外壁の補修を行っていきたいと考えており、その調査を今実施しております。  県ではこれまでも、昭和38年以来、県戦没者追悼式を継続開催し、さきの大戦で亡くなられた戦没者の御冥福をお祈りするほか、戦争の悲惨さを伝えていくために、戦後50年の平成7年から、戦時下の暮らしや富山大空襲に関する資料などを展示する「戦時下の暮らし展」の開催や、戦争体験談や平和への思いを語り伝える事業に取り組んでおります。  悲惨な戦争の体験と記憶を風化させず、平和の尊さを次世代に語り継いでいくことが私たちの重要な使命と考えております。今後とも、忠霊塔の整備をはじめ、体験や記憶を継承する事業に取り組み、平和に対する敬意と感謝する心の醸成に努めてまいります。  私からは以上です。 31 ◯議長(渡辺守人君)横田副知事。    〔副知事横田美香君登壇〕 32 ◯副知事(横田美香君)私からは、富山県人会世界大会についての御質問にお答えいたします。  今般、第3アリアンサ地区入植95周年、サンパウロ州との友好提携35周年、ブラジル富山県人会創立60周年、そしてアルゼンチン富山県人会創立55周年を迎えたことから、南米訪問団として、県議会から中川議員に御参加いただき、共にブラジル、アルゼンチンを訪問し、本県ゆかりの皆さんと交流をいたしました。  今回、南米に富山を思う関係人口が相当数いらっしゃるということを実感する一方で、県人会活動は現在2世が中心ですが、3世、4世の世代交代が進行し、日本語の使用機会の減少、富山への意識の希薄化による富山や県人会への関心の低下が課題と伺い、その対策の一つとして、若い人たちも富山を訪問する機会となる富山県人会世界大会を開催してはどうかという御提案をいただいたところであります。  富山県への関心の低下はこれまでも指摘されておりまして、県では、日本語教師の派遣、留学生や海外技術研修員の受入れや、日本語を学ぶ学生への奨学金支援を継続して実施しているほか、近年では、県人会若手リーダー招聘事業、ブラジル市民向けオンラインセミナーを実施しております。  また、今回の訪問では、県人会と共催で富山まつりを開催し、おわらなどのお祭り、方言、観光地、工芸品などの紹介を通して本県の魅力をPRしたところであります。  世界大会は、より多くの方々に富山を訪れるきっかけ、それから愛着を深めるきっかけ、県人会の横のつながりをつくるきっかけとなり得るものであり、また関係人口の拡大につながると考えられます。世界大会を実施した県は6つありまして、こうした先例も参考としつつ、世界各地の富山県人会にまずは意見を聞き、検討を進めてまいりたいと考えております。 33 ◯議長(渡辺守人君)市井土木部長。    〔土木部長市井昌彦君登壇〕 34 ◯土木部長(市井昌彦君)私から、社会資本の維持管理と除雪体制についての御質問にお答えします。  国の指針では、地域の道路や河川等の維持管理、例えば災害応急対策や除雪、修繕などにおいて、担い手の安定的な確保を図る必要がある場合には、複数の項目や工区をまとめ、地域に精通した複数の建設企業から成る共同企業体と包括的な体制で契約する方式の活用が示されております。  このような事例として、土木部では、除雪業務の単独ではございますが、複数の路線の除雪をまとめて1つの共同企業体と契約し、除雪機械の弾力的運用による効率的な除雪に努めているところでございます。  また、除雪につきまして、市町村とは連携除雪や雪捨場の共同利用の推進を図っているほか、歩道除雪などに地域住民の御協力をいただくなど、各主体が一体となった体制を構築し、取り組んでいるところでございます。  県では、令和3年の大雪を受けて、昨年度、除雪委託企業を含む県建設業協会の会員企業等770社を対象に、除雪体制の改善を図るため、議員御紹介のありましたアンケートを行い、除雪業務と除草、修繕等の包括的な契約についても意見を聞いたところです。  包括的な契約は、計画的な設備投資や人材確保が図られる一方で、受注機会の減少や複数箇所の同時対応の課題もあり、回答をいただいた281社の集計の結果、「検討してほしい」もしくは「実施したほうがよい」が3割であった一方、「現状のままでよい」が約4割、「どちらとも言えない」が約3割と意見が分かれたところでございます。  導入には、引き続き建設企業等の意向を確認し、踏まえていく必要があると考えております。今後とも、地域に貢献する建設企業等の御意見も十分聞きながら、適切な社会資本の維持管理や除雪体制の構築を図ってまいります。  以上です。 35 ◯議長(渡辺守人君)三牧知事政策局長。    〔知事政策局長三牧純一郎君登壇〕 36 ◯知事政策局長(三牧純一郎君)私からは、まず、コロナ禍における起業や事業承継についての御質問にお答えさせていただきます。  民間調査機関の直近のデータによりますと、富山県における令和3年の新設法人は704社、前年比18.3%増で、2年連続前年を上回っております。一方で、同じ年の休廃業、解散は前年比2.4%増の374社、倒産は前年比36.4%減の54社となっております。コロナ禍で休廃業、解散についてはやや増加したものの、コロナ禍における緊急避難的な手厚い資金繰り支援の充実等により倒産が抑制される中、新設法人の増加が目立つ形になったと考えております。  一方で、事業承継・引継ぎ支援センターの令和3年度の成約件数は22件でありまして、過去最多となった令和2年度の24件から横ばいとなっております。そのため、ある意味、代謝が制限されているというような見方もございますが、そうした中でも活用できるリソースにつきましては、ある程度適切に引き継がれたものと考えております。  また、コロナ禍の前から、技術革新によりデジタル化やグローバル化が進展しているところでございまして、それがコロナ禍により、より人との接触機会の減少やソーシャルディスタンスの保持など、生活様式の大きな変容が求められております。その結果、デジタル化の流れが一時的により加速されております。  そうしたニューノーマルが進む中で、新しい経済社会システムに適したビジネスを、富山県としてもより多く生み出していくことが必要であると考えてございます。そのため、先ほど新田さんからも答弁ありましたが、そうしたビジネスに対応するスタートアップについては積極的に取り組んでいるほか、既存企業につきましても、ビヨンドコロナのビジネスモデルの変革を見据えたデジタル化やデータ活用等に対して支援を行っております。  引き続き、新産業の創出に向けて、新しい経済社会システムに合わせたスタートアップの支援や、新しいビジネスに適応した事業への変革を行う事業承継の支援を行うとともに、県制度融資による経営の下支えや地域リソースの活用促進の観点などに留意しながら、地域の活性化に取り組んでまいります。  次に、県庁におけるデジタル化についての御質問にお答えさせていただきます。  県庁のデジタル化につきましては、職員の働き方改革や住民サービスの向上を図るため、従来の仕事のやり方や過去の成功体験といった前例にとらわれず、県民目線、現場主義で、県庁職員自らが主体的に課題を掘り起こし、積極的に推進する必要があると考えております。  そのためには、何よりもまず職員の意識改革が不可欠であることから、知事をトップとするDX・働き方改革推進本部での取組の推進に加えまして、幹部・管理職向けの研修、中堅職員を対象としたDX推進リーダー養成研修、そしてシンガポール国立大学と連携した若手職員の施策立案能力の高度化研修──こちらは民間と共に行っております──そうした研修を通じて職員の意識改革を促しているところでございます。  また、意識改革に併せて制度の見直しも必要であることから、押印の原則廃止に加えまして、10月、電子契約や県証紙で納付してきた手数料の電子納付の利用を可能といたしました。さらに部局横断のワーキングチームを設けまして、ペーパーレス化や決裁の簡素化に向けた制度改革にも取り組んでおります。  あわせて、ハードやソフトの充実も重要でございます。ペーパーレス会議やリモート会議などに必要なディスプレーにつきまして各所属に配置したほか、職員の業務を支える基盤となります庁内のグループウエア、メールシステム等の再構築に必要な経費を11月補正予算案に計上したところでございます。  DXにつきましては、単なるデジタル化ではなく業務の在り方の見直しを行う必要がありまして、今後とも、障害を取り除き、各部局の職員自らが働き方を変え、県民目線、現場主義で課題解決に取り組むように、意識改革やソフト・ハード環境の整備に取り組んでまいります。  最後に、関係人口の拡大についての御質問にお答えさせていただきます。  成長戦略では「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」をビジョンに掲げまして、人材交流の活性化を通じ、新しい富山県のさらなる発展に資する人材の集積を図ることとしております。関係人口の定義につきましては、県外に在住し、本県と関わる者、または行動する者のうち、強い関係性を持つ者と整理させていただいておりまして、単なる来県者ではなく、関係の継続性、あえて複数の選択肢から本県を選ぶといった本県への高い関心を要件としております。  本県では、議員から御紹介ありました合宿、コンベンション等の誘致に加えまして、他県と差別化したとがったブランディングによって本県の認知度を向上させ来県につなげる取組や、先端的なデジタル技術を用いた官民共創プロジェクトを創出する事業──こちらも先ほど新田さんが紹介したDigi-PoC TOYAMA(デジポックとやま)でございますけれども、こちらでマッチングサイトの構築や継続的な関係人口のデータベース管理を実証する事業を採択しております。こうした取組を通して、県外の方々と本県との関係構築機会の裾野を広げる工夫をしているところです。
     あわせて、関係の深化に向けましては、ウエルビーイング先進地域のイメージを発信することで、県民に加え地域外の方々も巻き込んだプロジェクト組成につなげる成長戦略カンファレンスの実施や、浅野総一郎氏など県出身の偉人と縁のある地域や企業との関係深化をねらいとした物産展等の開催にも取り組んでいるところでございます。  今後とも、関係部局や市町村、民間企業はもとより、県議会の皆様はじめ県民の皆様とも協力しまして、継続的な関係人口を創出し、その関係をより深化させることで、関係人口創出のメリットをより高めていくような仕組みづくりに努めてまいります。  以上になります。 37 ◯議長(渡辺守人君)有賀厚生部長。    〔厚生部長有賀玲子君登壇〕 38 ◯厚生部長(有賀玲子君)医療・福祉分野におけるデジタル化についてお尋ねがございました。このことは、県民への効率的、効果的で質の高い医療・福祉サービス提供のために重要な課題であると認識しております。  昨年11月策定のDX・働き方改革推進アクションプランに基づき、厚生部では、県民健康増進プロジェクトを推進するほか、昨年度末、医療・福祉関係団体の長によるDX化推進会議を開催し、取組状況や課題の情報共有を図ったところです。  御質問の県立中央病院、県リハビリテーション病院・こども支援センターの2病院については、昨年10月にマイナンバーカードによるオンライン資格確認システムを導入したほか、セキュリティー対策として、院内サーバーのバックアップやネットワークから切り離したデータのバックアップ体制を構築しました。  また、県立中央病院では、来月から高性能CTの増台に併せ、新たにAI技術による医師の診断支援システムを導入するほか、今後、3DやAI技術のさらなる活用を検討する予定です。  一方、アクションプランに掲げる主な施策のうちオンライン診療の充実では、今後とも医療機関への設備整備支援を行うとともに、安全性や信頼性の向上に向けた普及啓発を図ってまいります。また、介護ロボットやICTの導入では、引き続き介護事業所への導入支援や、来年4月開設予定のとやま介護ロボット・ICT普及センター──こちらはまだ仮称でございますが、これを通じた普及、導入促進を図り、介護サービスの質の向上につなげていくこととしております。  今後とも、効率的で質の高いサービスの確保に向けて、医療・福祉関係団体と連携し、デジタル化の推進に取り組んでまいります。 39 ◯議長(渡辺守人君)田中交通政策局長。    〔交通政策局長田中達也君登壇〕 40 ◯交通政策局長(田中達也君)最後に、地域公共交通計画についての御質問にお答えします。  持続可能な公共交通の確保に向けた計画の策定につきましては、今年6月に立ち上げた地域交通戦略会議と、その下に設置しました4つの部会を開催し、議論を進めております。  今月17日に開催しました第3回の戦略会議では、欧州の持続可能なモビリティー計画、いわゆるSUMPの策定プロセスを参考に、前回会議で了承されました基本的な方針、考え方を踏まえた計画の目標について議論を行っております。  その結果、3つの目標が了承されましたが、県民1人当たりの地域交通の年間利用回数を50回に増やす目標、このことに関しまして、達成には利便性向上のステージアップが前提との御意見をいただいております。  また、会議では、今月7日に富山大学で実施しました出前講座において、学生の皆さんに戦略会議の議論を共有し、学生同士でウエルビーイングを向上させる地域交通サービスについて意見交換を行ったことも報告しております。委員からは、早い段階から計画策定に県民が参加する、こうした取組は有効であり、今後も幅広く実施していくべきといった御意見をいただきました。  計画の基本的な方針、考え方では、ウエルビーイングの向上をもたらす最適な地域交通サービスについて、関係者間の役割分担、責任分担を考え、地域全体で実現を目指すとされております。  今後、具体的な施策等の検討を進めますとともに、県民の理解や当事者意識の醸成を図るため議論を共有するなど、県民自ら地域交通について考えてもらえるよう情報発信に努めてまいります。 41 ◯議長(渡辺守人君)以上で中川忠昭君の質問は終了しました。  以上をもって、会派代表による質問、質疑を終了いたします。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━          報           告 42 ◯議長(渡辺守人君)次に、予算特別委員会の構成について御報告いたします。  委員長武田慎一君、副委員長永森直人君、理事庄司昌弘君、岡崎信也君、薮田栄治君及び山本徹君、委員津本二三男君、大門良輔君、安達孝彦君、針山健史君、藤井大輔君、八嶋浩久君、川上浩君、井上学君、井加田まり君、奥野詠子君、筱岡貞郎君、火爪弘子君、横山栄君及び杉本正君、以上のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 43 ◯議長(渡辺守人君)次にお諮りいたします。  議案調査のため、明12月1日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 44 ◯議長(渡辺守人君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次回の本会議は12月2日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  午後2時24分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...